皆さん、こんばんは。海田陽介です。
きさらぎ駅
異世界駅の話といえば、やはり『きさらぎ駅』が最も有名でしょう。これは、ある女性が仕事帰りにいつも通り電車に乗り、存在しないはずの駅に停車し、その駅で降りたところ、異世界のような場所から戻れなくなってしまったという話です。
日本には、この『きさらぎ駅』に類似した話がいくつか存在します。今日は、その中でも特に興味深いものをいくつかご紹介したいと思います。
やみ駅
インターネットで検索すると、『やみ駅』という名前が出てきますが、実際の体験者が目撃したのは『きさらぎ駅』だったようです。
これは西暦2005年頃、福岡から久留米まで電車で向かっていたAさんの体験です。Aさんは電車内で読書をしていましたが、ふと気が付くと周囲の乗客全員が眠っており、窓の外には見たことのない陸橋が見えたといいます。その後、電車が停車し、Aさんは『きさらぎ駅』という古い日本建築様式の駅舎を目にしました。駅名看板には『やみ』駅と『かたす』駅の名前も書かれていたそうです。
Aさんは知人と会う予定があったため『きさらぎ駅』で降りず、そのまま電車に乗り続け、無事に久留米駅に到着しました。しかし、電車は本来停車するはずだった『かたす』駅には停車せず、その名前すら目にすることはなかったそうです。
Aさんはこの不思議な体験をネットに投稿し、自分が目撃した駅が一体何だったのかを調べているうちに『きさらぎ駅』の話を知り、驚いたといいます。
はいじま駅
東京には拝島駅がありますが、今回紹介する『はいじま駅』は鳥取県に存在し、東京の拝島駅とは全くの別物になります。
これはBさんの体験になります。鳥取県に在住であるBさんはいつものように電車に乗車しました。しばらくすると、仕事で疲れていたのか、Bさんは眠ってしまいました。
眠ってからどくれらいの時間が経ったのか、Bさんは突然見知らぬ男性から「さっと降りろ!」と怒鳴られ、起きることになりました。
怒鳴られて、すっかり気が動転してしまったBさんは、そのまま駅名も確認することなく電車を降りてしまったのですが、その後、駅名を確認して、驚きに目を見開くことになりました。
というのも、Bさんが降りた駅は『はいじま駅』という本来であれば、存在しない駅だったのです。ちなみに、駅は完全に無人駅で周囲には全く人影はありませんでした。
軽くパニックに陥ったBさんは、家族に携帯電話で連絡を取ろうとしたのですが、しかし、携帯電話は圏外で使いものになりませんでした。
すっかり途方に暮れてしまことになったBさんですが、しかし、どうにかして家に帰ろうと、駅から続いている道を走り始めました。すると、やがて見慣れた道路が出てきて、Bさんはどうにか家に帰り着くことができました。
後日、Bさんが『はいじま駅』が存在していた場所を訪れてみると、そこには広い公園しかなかったといいます。
藤迫駅
これはCさんの体験です。その日、Cさんは学校が終わったあと、いつものように地下鉄東西線に乗って移動していました。そして電車が西葛西から南砂町のあいだを通過する際、Cさんは奇妙なものを目撃することになりました。
というのも、窓の外に本来であれば存在しないはずの『藤迫』という駅が一瞬見えたのです。なお、補足しておくと、その藤迫駅は、地上に存在していました。でも、それはあり得ないことなのです。何故なら、電車は西葛西と南砂町のあいだはずっと地下を移動するからです。
あり得ない光景にCさんが表情を強張らせていると、他の乗客数名もあり得ない光景に気が付いていて、「なんだ。あれは⁉」というような表情を浮かべていたという話です。
最後に紹介するのは、日本人であれば誰もが知っている新宿駅です。この話は異世界駅ではなく、新宿駅を介して異世界に移動してしまったかもしれないという話になります。
ちなみに、僕がこの話を知ったのは、「ナナフシギ」さんというお笑い芸人のユーチュウブにおいてになります。
この体験をされた方はDさんです。Dさんは新宿で買い物を終え、小田急線に乗るためにJR新宿南口の改札に向かいました。
と、そのとき、突然奇妙なことが起こりました。というのも、周囲の空間から完全にひとが消え去り、いつもはたくさん存在している改札機がたったのふたつしか存在していない状態になっていたのです。更に改札の向こう側には、駅構内の景色ではなく、古い下町のような景色が広がっていました。
通常、このような事態に陥ったら、怖くなってその場に立ちすくむか、あるいは道を引き返すかするものだと思うのですが、しかし、Dさんは違っていました。
逆に好奇心を刺激され、スイカを翳して改札を通り、その下町に向かおうとしたのです。
しかし、数歩進むと鋭い耳鳴りがし、気が付くといつもの新宿駅構内に戻っていました。人通りもいつも通りに戻っていました。
この状態にDさんは納得がいかないものを感じることになりましたが、しかし、恐らく白昼夢の類でも見ていたのだろうと自分を無理に納得させることにしました。
そしてDさんは当初の目的である小田急線の改札を通ろとしたのですが、しかし、何故か翳したスイカがエラーになり、改札を通ることができませんでした。
怪訝に思ったDさんが、駅員に確認してもらったところ、DさんはJRの改札を通っていないため、エラーになったことが判明しました。
しかし、Dさんに言わせればそんなことはないはずなのです。というより、そもそもJRの改札を通ることなく、小田急線の改札口まで行くことは不可能なので、だから、恐らく、自分は一時的に異世界に足を踏み入れていたのだろうと今日ではDさんは考えているそうです。
今回は五つの異世界体験をご紹介しましたが、皆さんはどう感じられましたか?
異世界の入り口は、私たちの身近な場所にひっそりと存在しているのかもしれません。次回電車に乗るときや道を歩く際は、いつもと違っているところがないか注意深く確認してくださいね。さもなければ、あなたも異世界に迷い込んでしまうかもしれません。
最後に宣伝です。僕はこのような発想をもとに小説を描いているので、もしこのような話に興味関心があるという方がいらっしゃったら、ぜひ読んでみてください。
ではまた‼