アトランティス大陸の謎-失われた文明の栄光と沈黙の運命

 

 

 


アトランティス大陸は、古代の神話や伝説に囲まれた失われた文明の象徴です。その存在は未だに謎に包まれており、多くの人々の想像力をかきたて続けています。

 

今回は、アトランティス大陸の伝説について探求し、その魅力に迫ってみましょう。

 

1.アトランティスの起源 - 神話と歴史の交錯

 

アトランティス大陸の最も有名な物語は、古代の哲学者プラトンによって伝えられたものです。彼は指導者ソロンがエジプトで聞いた話として、アトランティスの存在を語っています。そこには驚くべき文明が栄え、高度な技術や知識を持つ人々が暮らしていたとされています。しかし、その栄光は突如として崩壊し、海に沈んでしまったと言われています。

 

2.アトランティスの場所 - 都市伝説の謎

 

アトランティスの正確な位置は多くの論争を巻き起こしています。プラトン自身も具体的な地理的な場所を明示してはいません。一説には、カリブ海や地中海、さらには北極や南極大陸の伝説と結びつけられています。また、古代エジプトや中央アメリカのマヤ文明との関連性も指摘され、さまざまな理論が提唱されています。このような謎に引かれ、多くの冒険家や研究者がアトランティスの探索に挑戦しています。

 

3.アトランティスの技術 - 先進的な文明の謎

 

アトランティスの伝説には、高度な技術力を持つ文明の存在が描かれています。プラトンによれば、アトランティスの人々は巨大な運河や水路、航海のための港、透明な水晶のドームなど、驚異的な建造物を作り上げていたとされています。更には、飛行機やウェーブレース、エネルギー網などの先進的な技術についても言及されています。これらの技術が本当に存在したのか、それとも神話としてのアトランティスが創り出した幻想なのか、人々は議論を続けています。

 

4.アトランティスの運命 - 沈黙と再生の物語

 

アトランティスは、栄光と繁栄の時代から、崩壊と沈黙の時代へと移行することになります。

 

一説によると、アトランティス大陸は、アトランティスの人々が高度なエネルギーを扱う過程で滅びたとも言われています。そして、大陸は海に沈んでしまい、その存在は人々の意識からも忘れ去られていったのだそうです。

 

しかし、一部の考古学者や冒険家は、アトランティスの再発見と復活を信じて探求を続けています。 アトランティス大陸の伝説は、未知の世界への扉を開き、人々の心を惹きつけ続けています。その魅力を追い求める探求心は、時空を超えた旅への誘いでもあります。

 

 

アトランティスの謎を解くための研究や冒険はいまだ続いており、その結果、新たな発見や驚きがもたらされることでしょう。アトランティスの謎が解き明かされる日はくるのか、非常に気になるところです。

変り続ける過去、そしてマンデラ・エフェクト

 

 

 

過去何度も取り上げさせて頂いているマンデラ・エフェクトだが、最近また多くの人が共感できるマンデラ・エフェクト現象が起こったようだ。

 

 

恐らく多くの人が音楽の教室などで一度はベートベンの肖像画を目にしたことがあると思うのだが、皆さんはその肖像画の絵がどんなものだったか、覚えているだろうか? 

 

 

ちなみに、僕が覚えているベートベンの肖像画は、憤怒に近い表情を浮かべているベートベンが羽ペンを持っているところだ。

 

 

ところが、実際のベートベンの肖像画は、表情がだいぶマイルドになり、羽根ペンではなく、鉛筆を持っている。

 

 

僕はこのベートベンの肖像画に違和感を覚えて仕方ない。僕の記憶のなかでは、彼は絶対に、もっと怒った顔つきをしていて、羽ペンをもっていたはずなのだ。

 

にもかかわらず、それがいつの間にかなかったことになってしまっている。

 

 

このように、我々のあずかり知らぬところで過去は変わり続けている―――つまり、マンデラ・エフェクト現象は進行し続けているわけであるが、最近僕が知ったyoutuberの方が述べていたところによれば、現在このようにマンデラエフェクトが現象が起こっているのは、複数の世界線が統合されているからであるしい。

 

 

そしてこの複数ある世界線が統合されるとき、多数派を占める記憶に基いて、世界線、事実は改変されていくことになるので―――我々のような少数派は、マンデラ・エフェクトを体験することになるのだということだった。

 

 

嘘か本当かわからないところではあるが、興味深い考察である。

 

ちなみに、僕はこのような話をもとに小説を書いている。下記にその一部を掲載しておくので、もしご興味があるという方がいらっしゃったら、読んで頂けると幸いである。

 

 

 

 

                1

 

 あなたはかつて火星に文明が存在し、そしてちょうどその頃、地球には今と同等か、もしくそれ以上の文明が存在していたと言ったら笑うだろうか?そんなことはあり得ない、と。それとも、いや、そういうことだってあっても可笑しくないと真剣に耳を傾けるだろうか?恐らく、ほとんど全てのひとが前者だと思う。無理もない。僕だってちょっと前までそんなことを言われたりしたら眉をひそめるか、あるいは笑い飛ばすかしていたと思う。そんなことはあり得ない、と。馬鹿げている、と。しかし、事実は違うのだ。

 実を言うと、僕はついさきほど五十万年前の地球から現代の地球に戻ってきたところだ。いや、話が飛躍し過ぎた。話を戻そう。そもそも僕がどうしてかつての火星に文明が存在すると信じるに至ったのか、何故僕が五十万年前の地球に行くことができたのかについて。これから僕が語ることは誓って真実だ。どうか信じてもらえたらと思う。

 

                 2

 

 順番に話そう。まずは事の発端から。さっきはああ書いたものの、実を言えば僕はどちらかというとオカルト的な話題を好む人間だ。オーパーツだとか、ムー大陸だとか、古代核戦争とか、そういった眉唾的な話。荒唐無稽。超科学的な話。

 

 でも、誤解しないで欲しいのだけれど、べつに僕はそういった話を真剣に信じていたわけではない。(結果的にいくつかのことは真実だったけれど)もしそういうことが本当だったら面白いな、楽しいな、と、謂わば読み物として、フィクションとして楽しんでいただけである。

 

 そして僕はその日、いつものようにそういったオカルト的な新情報はないかとネットサーフィンをしていた。しかし、ここ連日のようにそういった情報を検索していたせいか、これといって目ぼしい情報を見つけることはできなかった。だいたいは過去に見たことのある記事か、あるいはあまりにもオカルト的に話が飛躍し過ぎた記事ばかりだった。ふと部屋の時計に目を向けると、時計の針はもう午前の二時を指していた。僕はさすがに眠気を感じた。さて今日はもう眠ってしまおうと僕は思った。

 

 でも、その次の瞬間、コンピュータースクリーンのなかに気になる文字を僕は見出した。それは個人のブログで、タイトルの見出しには「僕は二千百年からタイムスリップしてきた未来人です」と書かれてあった。どうせ誰かの悪ふざけだろうと思う反面、そういったオカルト的な話題が大好きな僕は興味を惹かれないわけにはいかなかった。たぶんがっかりすることになるだろうなと予期しつつも、僕はそのサイトに飛んでみた。

 たぶん、信じてもらえないだろうけれど、と、そのブログの作者は書いていた。実を言うと、僕は二千百年からのタイムトラベラーなのです、と。その一見何の変哲もない書き出しは、何か殊更に自分が本当のタイムトラベラーであることを誇示しているようで胡散臭くもあり、逆に言えばあまりにもその平明な文章の書き方がもっともらしく感じられて、僕は自然と文書に引き込まれていった。

 

 書かれている文章を要約するとだいたいこういうことになった。彼、つまりブログの作者は、西暦二千百年の未来から過去の地球の歴史を観察するためにタイムトラベルしてきたようだった。とはいえ、そもそも彼が目的としていた年代は今の地球(つまり僕たちが生活している地球時間)ではなく、もっと遠い過去だったらしい。というか、実を言うと、もともとは目的の地球時間に辿り着くことはできていたらしいのだけれど、仲間の裏切りに合い(このあたりがどうも作り話めいていて嘘臭いなと思ったけれど)、命からがら僕たちの居る今の地球にタイムトラベルしてきたらしかった。どうして自分が本来居た未来に戻らないのかというと、時間線の関係がどうとかこうとかで上手く戻れなかったらしい。このあたりの説明は素人の僕にはよくわからなかったけれど、彼がもといた未来に戻るためには何か複雑な手順を踏まなければならないらしい。でも、現段階ではそれができずに、現在の地球にやむなく留まっているらしかった。

 このブログを閲覧している人間の数は決して多くはないようだったけれど、その反面、みんなそれなりに興味を持っているようで、様々なひとがコメントを寄せていた。とは言っても、そのほとんどがからかい半分のコメントだったけれど。でも、なかには僕のようにかなり真剣に興味を持っている人間もいて、そういった人間からの問い合わせ対してできる限りブログの作者も丁寧に答えていた。彼の時間旅行の目的。タイムトラベルの方法について。いつタイムマシンは完成したのか。それらの回答は面白半分に書いているにしては妙に理論整然としていて、そんなことがあり得るものだろうかと首を傾げたくなりながらも、つい、もしかしたら本当かもしれないなと思わせるような説得力があった。

 というわけで、僕も彼に対してメッセージを送ってみることにした。あなたは本当に存在しているのか。もし存在しているのであれば、直接会うことは可能だろうか。僕の友達にタイムマシンについて研究している人間がいるので、もしかしたら何か協力できることがあるかもしれない、と。メッセージの最後に自分のメールアドレスを記載して送信した。もし、興味を持ってもらえたら、このアドレスに直接メールを送って欲しい、と。そして、返信なんかあまり期待せずに僕はパソコンをシャットダウンした。しかし、意外なことに、次の日パソコンを開いてみると、ブログの作者からのメッセージが届いていたのである。

そして以下が、ブログの作者からのメールの内容になる。

 

                三

 

 やあ、メッセージをどうもありがとう。早速メールをしてみることにしたよ。ブログにも書いていたと思うけど、僕の名前は田中雄二。未来人のくせに妙にありきたりな名前だなと思ったかもしれないけど、でも、考えてみて欲しい。西暦二千百年というのはきみたちが暮らしている世界からそんなに遠い未来じゃないんだ。従って、名前だって現在の日本人の名前と全く変わらないんだよ。まあ、もっとも、なかには凝った変な名前のひともいるし、昔に比べると国際結婚も進んでいるから、最近はちょっとユニークな名前のひとも増えてきてはいるけどね。でも、それはともかくとして、西暦二千百年の日本人のほとんどのひとがきみたちの年代の頃と変わらない名前を名乗っているよ。渡辺聡とか。中村悟とかね。ごく普通だ。

 ……申し訳ない。話が逸れた。とにかく、何が言いたいのかというと、僕は現実に存在しているし、きみと直接会うことも可能だということだ。きみはまだ半信半疑、というか、ほとんど信じていないだろうけど、誓って僕は未来からやってきた人間だよ。決してきみをからかって遊んでいるわけじゃない。信じて欲しい。難しいとは思うけれど。でも、僕としてはそうとしか言いようがない。

 それから、どうして僕がきみに興味を持ったのかというと、きみの友達にタイムマシンについて研究している友達がいるという記述があったからなんだ。あれは本当のことなんだろうか? 実を言うと、僕はちょっと困った状況に陥っているんだ。ブログにも書いたと思うけど、タイムマシンが故障していてね、戻れないんだ。未来に。もちろん、過去へも。どこへも行けなくなってしまったんだ。これくらいだったら何とか自力で直せると思ったんだけど、予想外に手こずっている。

 というのは、この世界線が僕の居た世界線と思ったよりもズレが大きくて……いや、こんなことは書いても仕方がないね。つまり、僕が言いたいのはどういうことかというと、きみの友達に助けてもらえたら嬉しいということなんだ。きみの友達の研究がどれくらい進んでいるのか、僕としては知りようもないけれど、でも、もしかしたらなんとかなるかもなんて期待している。まあ、最悪、なんとかならなくても、きみたちと直接会って話しをしてみるのも悪くないかなと考えているんだ。そしたら、そこから思いがけず、良いアイディアが浮かぶかもしれないしね。

 とにかく、返事を待ってるよ。

 

                 四

 

 僕はブログの作者からのメールを、つまり田中雄二と名乗る未来人からの手紙を二度か三度読み直した。うーんと、僕はパソコンの前で首を捻った。常識的に考えれば、どこかの暇人が面白がって書いているとしか思えなかったけれど、でも、その一方で、僕のオカルト的な趣向があるいはもしかしたらこれは本当なんじゃないかと期待させてもいた。

 

 よし、と、僕は決めた。なんだか胡散臭いけれど、この田中雄二と名乗る未来人に会ってみよう、と。最悪何かの悪戯だったとしても、というか、その可能性の方が高いわけだけれど、でも、そうであったとしても、それほど失うものがあるわけじゃない。悪戯だったとしても、べつにそれはそれで構わないじゃないかと僕は開き直ることした。

 

 そして僕は早速田中雄二にメールを書き始めた。

 

 返信ありがとう。まさか返事がもらえるとは思っていなかったからすごく驚いている。田中さんの話は非常に面白くてわくわくさせられている。できれば近いうちに会えないだろうか?

 

 僕の友人の研究の進捗状況は正直僕としてもよくわからない。何しろ僕はタイムマシンとか、科学とか、そういった分野については門外漢だからね。でも、とにかく、友達にも連絡を取ってみるよ。未来のひとたちから見ると、僕たちの時代のテクノロジーなんてすごく稚拙なものでしかないだろうし、役に立つかどうかわからないけれど、それでも何もないよりはマシだっていうこともあるだろうしね。田中さんの役に立つことができたら嬉しい。でも、それはそれとして、僕の友達はすごく忙しくて、もしかしたらすぐに彼と会うことは難しいかもしれない。それでというわけではないんだけど、まず田中さんと僕とでこれから会うというのは難しいだろうか?

 

 まず僕と田中さんとで会って簡単な打ち合わせをし、それから友人と会う機会を作れたらと思っている。べつに疑っているわけではないんだけど、でも、田中さんの話は現代人の感覚からするとあまりにもぶっ飛び過ぎていて、こちらとしてはどうしても慎重になってしまわざるを負えないんだ。特に僕の友達はそういったことに対して懐疑的な傾向があって、まず僕自身がきみと直接会って確信を得たいというところがある。きみがほんとうに未来人なんだっていうね。もし気分を害してしまったとしたら申し訳ない。いずれにしても、返事をお待ちしている。

 

 だいたいそんなようなことを書いて僕はメールを送信した。そしてメールを送信し終えたあとに、僕は友人に電話をかけてみた。大学でタイムマシンについて研究している友達に。

 

                  五

 

「なんだよ。今、忙しいんだ」

 僕が電話をかけると、近藤学は苛立しそうな声で電話に出た。僕が電話をかけると、彼はいつだってかりかりしている。僕と違ってひどく忙しいのだ。近藤学は僕の小学校からの幼馴染で、今は某有名大学で物理学の助手をやっている。年齢は僕と同い年で二十八歳。独身。背が高くて、俳優にだってなれそうなくらい整った顔立ちをしている。だから、彼はうんざりするくらい持てるのだけれど、あまり女性に興味がないのか、というよりは研究第一主義といった人間で、現在は付き合っている恋人もいない、らしい。ほんとうかどうかはわからない。確かめたわけじゃない。まあ、それはどうだっていいことだ。とにかく、彼は大学で講師をやりながら、空いた時間を利用して自分の研究を続けている。田中雄二には興味を持ってもらうために近藤がタイムマシンの研究をしていると言ったものの、実を言うと、近藤が研究しているのはタイムマシンというよりも量子力学だ。

 

 じゃあ、僕が大ぼらを吹いたのかというとそうでもなくて、タイムマシンと量子力学は非常に近いところにあるのだ。というか、らしい。僕も詳しいことはわからない。僕は文系の人間で細かい理論のところはよくわからない。でも、以前近藤と話したときに、近藤が量子力学を発展させていくと、もしかすると、タイムマシンを作ることが可能かもしれないと話していたことを覚えている。だから、友人がタイムマシンの研究をしていると書いたことはあながちデタラメともいえないだろう、と、思う。実際、近藤が今研究しているのは粒子を使ったタイムトラベルの実験らしい。粒子という非常に小さな単位ものであれば、タイムトラベルをすることが可能かもしれないらしいのだ。この研究が進めば、過去や未来に情報を送ることができるようになるかもしれないらしい。

「忙しいのはわかってるよ。でも、もしかしたら世紀の大発見かもしれないんだ。恐らく、近藤もすごく興味があることだと思う」

 近藤は僕の言ったことについて吟味するように少しのあいだ黙っていた。

「なんだよ。それ」

 近藤はいくらかの沈黙のあとで小さな声で言った。

「タイムトラベラーさ」

 僕は得意気に言った。

「はあ?」

 近藤は露骨に不機嫌そうな声を出した。僕にからかわれていると思ったのだろう。無理もない。

「俺、忙しいんだよ。今も研究の最中なんだ。そんなくだらない冗談言うために電話をかけてきたんだったらもう切るぞ?」

「いや、だから、違うんだ」

 僕は近藤がほんとうに電話を切ろうとしているのがわかったので慌てて言った。

「何が違うんだよ」

 近藤は電話を切りはしなかったものの、かなり苛立っている口調で言った。

「近藤がからかわれていると思うのも無理ないけど、でも、違うんだ。ほんとうのタイムトラベラーが実在するかもしれないんだ」

 僕は近藤に電話を切られてしまわないように、できるだけ真剣な声を出すように努めた。

 すると、そのかいあったのか、近藤は電話を切らすに黙っていた。僕は言葉を続けた。昨日ネットで面白い記事はないかと色々見ていたら、たまたま西暦二千百年からやってきたという未来人のブログを見つけたこと。悪戯にしては妙に様々な説明に筋が通っていたこと。試しにメールを送ってみたところ、本人から連絡があり、もしかしたらこれから会うことになるかもしれないこと。その他、田中雄二にまつわるもろもろについて。

「近藤はどう思う?」

 僕は全てを話し終えたあとで近藤に訊ねてみた。

「どう思うって言われてもなぁ」

「やっぱりただの悪戯だと思う?」

 そりゃあ、そうだろう、と僕は近藤が呆れた声で言うと思っていた。でも、近藤のリアクショクは僕の予想とは少し違うものだった。

「どうだろうな。悪戯の可能性は高いと思うけど、でも、意外とほんとうだったりしてな?……そのタイムトラベルの仕方とか色々、妙に具体的なところが気になるよな」

 近藤は考え込んでいる口調で言った。僕は近藤がまさか自分の話に真剣に耳を傾けくれるとは思っていなかったので正直驚いた。僕が驚きのあまり黙っていると、

「おい、聞こえてんのか?」

 と、近藤は携帯電話の電波の調子が悪くなったと思ったのか、大きな声を出した。

「いや、ごめん。ちゃんと聞こえてるよ。ただ、近藤がまさか僕の言葉に耳を傾けてくれるとは思っていなかったから、なんか意外な気がして」

「お前が言い出したんだろ」

 近藤は僕の返答に可笑しそうに軽く笑った。僕もつられるようにして少し笑った。

「いずれにしても、まだその未来人からのメールの返信は来ていないからこれからどうなるかわからないけど、もしかしたら今日か、明日のうちに会うことになるかも」

 僕は言った。

「まあ、せいぜい、その未来人に未来に連れて行かれないように注意するんだな」

 近藤は冗談めかして言った。

「まあ、それも悪くないよ。ちょっと未来の世界っていうのを見学してくるのも楽しそうだ」

 僕も近藤の言葉に冗談で返した。

「とにかく、向こうが会う気になったら会ってみるよ。未来人と会う機会なんて滅多にないしさ」

 僕は言葉を続けた。

「それで場合によっては近藤にアドバイスをお願いすることになるかもしれない。さっきも話したと思うけど、その未来人は未来に戻れなくなって困ってるらしいんだ。で、ときと場合によっては物理学者である近藤くんの出番となるかもしれない」

「いよいよこの天才の出番てっわけか」

 近藤はおどけてそう答えると軽く笑った。僕はぜひとも天才に協力をお願いしたいと言って電話を切った。

 

                 六

 

 果たして、田中雄二と名乗る未来人からの連絡は夕方頃に届いた。以下がそのメールの文面になる。

 

 

 やあ、返信ありがとう。連絡が遅れて申し訳ない。メールが来ているのに気が付かなかったんだ。

 僕としては気分を害してなんか全然ないよ。むしろ、いきなり僕は未来からやってきた人間ですなんて言われて信じろという方が無理があるものね。きみが慎重になるのは当然のことだと思う。こいつは頭が可笑しいんじゃないか、何かの悪戯なんじゃないかってね。僕がもしきみの立場だったら、やはり同じように思っただろう。友達が忙しいのも了解した。

 で、きみの申し出についてなんだけど、とりあえず、僕ときみのふたりだけで会おうという提案だね、僕としては全然構わないよ。なんなら今からでもいいけど、どうする?

 

 

  僕は田中雄二からのメールを読んで正直ちょっと焦った。というのは、まさか彼がすんなり僕と会うことを承諾するとは思っていなかったからだ。もしかしたらほんとうに未来人なんじゃないかと期待しつつ、その実、やはり全ては悪戯で、田中雄二は僕と直接会うことをなんだかんだと理由をつけて拒み続けるんじゃないかと予測していたのだ。

 ところが、その推測は大きく外れることになった。田中雄二は僕と直接会っても構わないと言う。なんなら今からでも構わないと言うのだから、こちらとしてはいささか調子が狂ってしまう。おいおい、まさか田中雄二は本当に未来人なのか? そんなことがあり得るのか? そういうのは映画とか何かのテレビの特番だけの話じゃないのか? 僕は自分の手のひらが興奮と緊張で湿ってくるのを感じた。僕はもう一度田中雄二のメールの文章に目を通した。そして返信を送った。

 

 返信ありがとう。じゃあ、早速だけど、今日会わないか? 場所はどこでも構わない。田中さんに会わせるよ。正直、これから未来人と会えるとわかってかなり緊張している。

 

 

 僕が送ったメールに対してすぐに返信が帰ってきた。

 

 

 

 今日だね。了解した。じゃあ、今から二時間後に新宿のアルタ前で待ち合わせはどうだろう? きみがわかりやすいように僕は赤い帽子を被っていくよ。それから黒い鞄を持っている。アルタ前にそんな恰好をした人間がいたら、それが僕だということになる。あるいは新宿はきみの家から遠すぎるだろうか? そうであればきみに合わせることも可能だよ。

 ところで、きみは未来人に会うことになってすごく緊張していると書いていたけれど、どうか安心してもらいたい。僕が未来人であるとは言っても、きみのいる世界からたかだか八十年ちょっと先の人間なだけだ。きみたちと何ら変わらない、ごくごく平凡な人間だよ。きみが僕に会ってがっかりすることになっても困るから先に言っておくけどね(笑)

 待ち合わせ場所についてだけど、移動の時間もあるので、なるべく早く返事をもらえたらと思う。では。

 

 

 僕も田中雄二のメールに対してすぐ返信した。

 

 迅速な対応ありがとう。オッケー。新宿のアルタ前だね。僕の家からすぐ近くだよ。問題ない。僕もきみがわかりやすいように青色の帽子を被っていくよ。それにしても、赤と青の帽子の二人組か。これじゃまるで漫才師だね(笑)

 ところで、きみは自分にあまり期待するなというようなことを書いていたけれど、でも、こちらとしてはどうしたって期待してしまうことになる。なんと言っても、生まれてはじめて本物のタイムトラベラーと会うわけだからね。

 いずれにしても、早く本物のきみにお会いしたい。それでは二十時に新宿のアルタ前で。

 

                 七

 

 僕はメールの返信を終えるとすぐにパソコンをシャットダウンし、浴室に行って髭を剃って歯を磨き、服に着替えた。もちろん、青色の帽子も忘れずに被る。これだけのことをするのに三十分近くかかった。部屋の時計に目をやると、既に時刻は十九時になろうとしていた。

 僕の最寄り駅は西武新宿線東伏見という駅で、そこから新宿までは電車だけの移動であれば二十分くらいでいける。でも、実際には駅まで徒歩で向かう時間や、電車を待つ時間、さらには待ち合わせ場所まで向かう時間なども考慮にいれなければならず、僕はちょっと焦った。普段は駅まで徒歩で向かっているのだけれど、この際自転車で向かうことにする。乗ってきた自転車は駅前にあるスーパーの前あたりに放置して駅までダッシュした。そんなことをしようとすれば、普段は放置自転車を監視しているおじさんがいて注意されるのだけれど、さすがにこの時間帯は勤務時間外なのか、誰にも咎められることはなかった。

 駅のホームに降りると、ちょうど上手い具合に準急電車がやってきた。文字通り、僕はやってきた電車に飛び乗った。かなり急いだので息が荒い。僕が電車のなかで荒い息をついていると、乗客の何人かが奇異な面持ちでこちらをちらちらと見てくるのがわかった。無理もない。僕だってもし逆の立場だったら、何事かと気になっただろう。恥ずかしいのと居心地が悪いのとで、僕は顔を伏せるようにして電車のなかを歩き、前の車両に移動した。そして目についた席に腰を下ろす。この時間帯から新宿方面に向かう人間は少ないようで、電車はがらがらに空いていた。反対側の席には誰も座っておらず、電車の窓に自分の顔が淡く浮かびあがって見えた。

 

 果たして未来人、田中雄二は僕のことを見てどう思うだろうか? あまりパッとしない、冴えない男が来たなとがっかりするだろうか。

 僕は窓ガラスに映る自分の顔を検分してみた。オーケー。彼はがっかりするだろうなと思った。だって僕は友人の近藤とは違ってあまりハンサムとは言えないから。不細工とまではいかないにせよ、そんなに自慢できる種類ものじゃない。人間は外見じゃなくて中身だというけど、中身についてもあまり自信がないのが正直なところだ。怠け者だし、出不精だし、何かを率先してできる方じゃないし。まあ、悪人ではないと思うけれど。でも、僕の長所ってなんだろうと考えてすぐには浮かばず、なんだか物悲しい気持ちになった。

 

 と、そんなことをぼんやりと考えているうちに電車は新宿駅に到着した。電車から降りると早足で改札を出る。新宿なのでかなりひとが多く、なかなか思うようなスピードで歩くことができない。それでも可能な限り僕は急ぎ、なんとか待ち合わせ時間の五分以上前には目的地に到着することができた。

 

                 八

 

 少し緊張しながら待つこと十分以上が経過した。周囲を見回してみるが、赤い帽子を被った人間---つまり田中雄二らしき人物が現れる様子はなかった。やはり悪戯だったか、と、がっかりするのと同時に、ちょっと安心している自分もいた。というのも、本物の未来人がやってきたらどうしようと僕はびくついていたのだ。近藤の話ではないけれど、未来に連れ去られてしまうようなことがあったらどうしようと、そんなことはあり得ないとわかっていながらも、若干恐れている自分がいた。それでなくても、よく知らない、見ず知らずの人間と会うというのはそれなりに緊張するものである。と、そんなふうに僕が緊張を解きかけた瞬間、

「すみません」

 と、ふいに女の人の声が聞こえてきた。思わずドキリとして周囲を見回してみると、僕のすぐ目の前に比較的小柄な女の人が立っていた。そしてその女のひとは赤い帽子を被っていた。うん? 目の前に立っているこの女の人が、田中雄二なのだろうか? でも、女の人だし……僕が混乱して黙っていると、

「もしかして、原田さんですか? 原田慎吾さん?」

 赤い帽子を被った女の人は不安そうな面持ちで僕の顔を見ると、僕の名前を呼んだ。

「えーと、いや、あの、そうだけど」

 僕は女性の質問にいくらかしどろもどろになりながら答えた。いかにも恰好悪い。でも、僕の名前を知っているということは、やはり彼女がメールでやりとりをしていた田中雄二ということになるのだろうか? でも、女だし。女で雄二という名前のひとがいるのだろうか? それとも田中雄二は急に都合が悪くなって、彼女が代理できたのだろうか?  僕が戸惑っていると、

「びっくりさせちゃってごめんなさい」

 と、彼女は頭を下げて言った。それから彼女はそれまで被っていた帽子を取った。すると、それまで判然としていなかった彼女の顔が、新宿の明るい街の光のなかに明らかになった。

 

 明るい光の下に現れたのは、どこからどう見ても女の子の顔だった。年齢は二十五歳くらいだろうか。もしかするともっと若いかもしれない。目が大きくて、鼻は何か対して反抗するようにつんと小さく上を向いている。少し厚みのある小さな唇は健康そうな明るい林檎色をしていた。髪の毛の長さは肩のあたりくらいまでで、それを淡い茶色に染めていた。結構可愛いひとだなと僕は思った。いや、結構じゃない。僕が過去に出会ってきた女の子のなかでもたぶん一番目か二番目くらいに可愛い女の子だった。もしかしたらニューハーフである可能性もあったけれど、でも、その可能性は低そうだった。何しろ声が完全に女性のものなのだ。もしかしたら、最近は声だって女性的に矯正できるのかもしれなかったけれど。とにかく、僕は目の前の女性に一目で好意を持った。恥ずかしい話、彼女が未来人であるかどうかなんて途端にどうでも良くなって、そのあたりにどこにでもいるような可愛い女の子に目がないバカな男のひとりに僕は成り下がってしまっていた。頭が一瞬、真っ白になった。

「実はわたしが田中雄二なんです。その、未来人って書いた」

 僕が彼女の可愛さに目を奪われていると、田中雄二と名乗った女性はいくらか俯き加減に申し訳なさそうな声で言った。

「失礼?」

 僕はぼんやりとしていたので彼女の言ったことが上手く理解できなかった。すると、彼女はそれまで伏せていた顔をあげて僕の顔を見ると、

「だから、わたしがメールでやりとりをしていた人間なんです」

 と、彼女は少し声を大きくして言った。

「つまり、きみは男なの?」

 僕はたぶん見当違いな質問をした。

 すると、彼女は違うというようにぶんぶんと大きく首を左右に振った。それから彼女が僕に説明してくれたところによると、だいたいこういうことになった。田中雄二というのは、彼女のお兄さんの名前で、彼女はインターネット上で偽名を使っていたらしかった。どうしてそんなことをしていたのかというと、半分は女性と出会うことを目的に近づいて来ようとする男から身を守るためと、あとの半分は普段とは違う自分になってみたいという遊び心かららしかった。ちなみに、彼女の本名は田中唯というらしかった。とりあえず、ニューハーフの可能性は消えたわけである。

「うーん。ということは、あれも嘘なの? きみが未来から来たっていう」

 僕は周囲の人間の反応が気になったので、心持ち小さな声で訊ねてみた。すると、田中唯は首を振った。

「ネットに書いたことは本当です」

 田中唯は短く答えた。

「わたしが未来から来たっていうのも、それから過去に時間旅行をして、色々あってこの世界にタイムトラベルしてきたっていうのも」

 僕は田中唯の言葉に上手くリアクショクを取ることができなかった。時間旅行とか、タイムトラベルという言葉が実際の人間からさらりと出で来るとなんともいえない迫力があった。どう考えても田中唯が僕のことをからかおうとして適当なことを言っているようには見えなかった。ただ、田中唯が真剣であったとしても、やはりタイムトラベルというのはあまりにも現実離れしているので、彼女がありもしない空想に取りつかれてしまっていると考えた方が理屈にかなっているのかもしれなかった。でも、彼女の目に宿る光は至ってまともだったし、変な妄想に取りつかれているようには見えなかった。まあ、もっとも、僕の方に彼女が本物のタイムトラベラーだと思いたがっている要素があったことは否定できないのだけれど。

「とにかく、立ち話っていうのもなんだし、どこか適当に喫茶店でも入ろうか?」

 と、僕は言った。言ってから彼女を安心させようとして僕はできる限り穏やかな笑顔(もしかしたら他人から見るとかなり気持ち悪い表情になっていたかもしれない)を浮かべた。

「そうですね」

 と、彼女は僕の提案に、やっと少し緊張を解いたような、安堵したような小さな微笑を口元に浮かべた。

 

                  九

 

 僕と田中唯は新宿の街を少し歩いて、落ち着いて話をすることができそうな喫茶店を見つけて入った。注文を取りに来たウェイターに僕も田中唯もコーヒーを注文した。注文したコーヒーはすぐに運ばれてきた。僕はブラックでそのままコーヒーを一口啜り、田中唯は砂糖もミルクもたっぷりいれてからコーヒーを口元に運んだ。なんだか頭のあたりが窮屈だなと思ったら自分が青色の帽子を被っていたことを今更のように思い出した。僕はむしりとるように帽子を取った。僕は普段どちらかというと帽子を被ったりする方ではないのだ。

「その帽子」

 と、それまで黙っていた田中唯が遠慮がちな声で言った。僕は向い合せに座った彼女の顔に視線を向けた。

「青色っていうよりかは白ですよね」

 僕は彼女の指摘にさきほど取ったばかりの帽子に目を向けた。確かに彼女の指摘通り、僕がさっきまで被っていた帽子はつばの部分が青色なだけであとは白といってもいい色をしていた。

「だから、わたし、迷ったんですよね。原田さんなのかどうか。でも、誰かを探してきょろきょろしてるのは白い帽子を被ったひとしかいないし、まあ、つばの部分だけ見れば青色と言えなくもないし。だから、思い切って声かけたんですよ」

 彼女は可笑しそうに微笑んで言った。僕は苦笑して頭を掻いた。

「いや、普段、あまり帽子を被ったりしないから。てっきりこれは青色の帽子だと思い込んでたけど」

「正確に言えば違いますね」

 彼女はクスクス笑って言った。僕はもう一度自分の帽子に目を落としてから、

「まあ、そうだな」

 と、微笑して認めた。

「ところで、くどいようだけれど、きみはほんとうに未来人なの? 未来からやってきたひとなの?」

 僕はコーヒーを啜ると、改めて訊ねてみた。幸い、店内は他の客の話し声や音楽で騒がしく、僕が未来人と口にしても周囲の注目を集めるようなことはなかった。

 田中唯は僕の問いにこくりと顎を立てに動かした。

「まあ、こんなことを信じろっていう方が無理があるのはわかりますけどね」

 田中唯は僕の顔を見ると、微苦笑して言った。それから、思い出したようにコーヒーを一口啜った。

「でも、僕としてはどうも上手く信じられないんだよな。これからたかだか八十年くらいでそんな時間旅行ができるようになるなんて」

 僕は率直な感想を述べた。

「確かに、この世界線はわたしがいた世界線よりも技術の進歩が遅れているみたいだけど……」

 田中唯はコーヒーカップのなかに視線を落とすと、思案するように小さな声で言った。彼女が口にした科白のなかに色々と気になる単語があったけれど、僕はひとまず彼女の言葉の続きを待って黙っていた。

「でも、もしに仮に、今この世界に既にタイムマシンが存在していたとして、原田さんはそれを発明したひとがわざわざ公言すると思いますか? タイムマシンを発明しましたって」

「うーん。どうだろうな」

 僕は田中唯の質問に腕組みして首を捻った。

「それは世紀の大発明だし、だから、科学者だったらやっぱり世界に向かって発表したくなるんじゃないかな?」

 田中唯は僕の言ったことがナンセンスだというように軽く首を振った。

「それはないと思いますよ。……まあ、なかにはそういうひとだっているかもしれないですけどね。でも、普通であれば、隠すと思います。だって、タイムマシンがあれば色んなことが可能になりますからね。たとえば未来に行って競馬とか株の情報を仕入れてきてそれで大儲けをすることだってできるわけですし。それだったらタイムマシンを発明したことは自分だけの秘密にしておいた方が都合がいいわけじゃないですか?」

「まあ、確かにそうかもしれないな」

 僕にはタイムマシンを発明するような人間がそんな浅ましいことをするとは思えなかったけれど、とりあえずという感じで同意しておいた。

「それに」

 と、田中唯はまたコーヒーを一口啜ってから言葉を続けた。

「タイムマシンの研究っていうのは莫大な費用がかかるんです。とても個人の研究の範囲内でできるものじゃないんです。当然、それには国家とか、多国籍企業とかがかかわってくるわけで、それでもしタイムマシンが実際に完成したとしたら、それはその瞬間にトップシークレットになります。厳重な管理下に置かれることになって、科学者は自由にタイムマシンを操ることはおろか、世間に向かって発表することはできなくなります。国家や企業は自分たちの利益のためにその研究の成果を独り占めにしようとします。だから、もし、この世界に既にタイムマシンが完成していたとしても、ほとんどのひとはその事実を知らないはずです。実際、わたしたちの世界でも、タイムマシンが完成していることを知っているのはほんの一握りのひとたちだけです。もっとも、遠い未来の世界においては、タイムマシンが存在することがオープンになっていて、誰でも自由にそのテクノロジーを利用することができる世界だってあるのかもしれないですけどね。でも、少なくともわたしがいた世界においては無理でした」

 僕は田中唯の論理的な説明に何も反論できなかった。そして僕が思ったのは、世界中で見つかっているオーパーツの遺跡というのは、実は未来からのタイムトラベラーが残していったものじゃないのかということだった。三葉虫を人間が踏みつぶした何億年も前の化石とか、何百万年も前の、人間が存在していなかったはずの地層から発見された現生人類の全身骨格の化石とか。タイムマシンが完成していたとしたら、全てに説明がつくんじゃないかと僕は単純に思った。

「なるほど確かにね……というか、すごく面白いよ。きみの話を聞いていて、ほんとうにきみは未来から来たひとなんじゃないかっていう気がしてきた」

 僕は興奮して言った。

 田中唯は僕の発言に、微笑もうかどうしようか迷ったような曖昧な笑顔を浮かべた。僕はもう残り少なくなってきたコーヒーを啜った。

「ところで、もうひとつ質問してもいいかな?」

 どうぞというように田中唯は僕の顔を直視した。

「僕はなんというか、そういうタイムマシンとかの話が好きで、色んな本とかを読み漁ってるんだけど」

 僕はそこで言葉を区切ると、田中唯の顔を見た。

「で、色んな本を読んだ情報をまとめると、タイムトラベルをするためには光の速度よりも早い速度で移動する必要があるみたいなんだけど、そこらへんはどうなのかな? 未来への時間旅行はともかく、過去へのタイムトラベルは光の速さを超える必要があるみたいで、でも、アインシュタインの理論によると、光の速さを超えることはできないみたいで。だから、どうやって過去へのタイムトラベルが可能になったんだろうと思って。どう考えても、たかだか八十年ちょっとで光よりも早いスピードで移動できる方法が見つかるとは思えないし……」

「べつに過去へのタイムトラベルに光のスピードを超える必要はないんです」

 田中唯はなんでもなさそうに答えた。

「もちろん、未来へ行くのも」

 彼女は付け加えて言った。

 僕は彼女の言葉の続きを待って黙っていた。もうコーヒーがなくなってしまったので、代わりにお冷を少し飲んだ。

「もちろん、原田さんの指摘通り、わたしたちの世界でもまだ光を超える速さで移動できる乗り物はできていません。……少なくともわたしが知っている範囲では、ということになってしまうけど」

 田中唯はそこで言葉を区切った。そしたまた少ししてから彼女は話はじめた。

「でも、光の速さを超えなくてもタイムトラベルは可能なんです。この世界でも既にそういった理論は確立されていたと思うけど……たとえばワームホールを使う方法とか、超紐理論とか」

「そういえば、そういうのも見たことがあるような気がするな」

 僕は苦笑して言った。つい、光の速さを超えることができないということばかりに目がいっていて、光の速さを超える以外にも彼女が述べたような理論によるタイムトラベルの方法が考案されていることを僕はすっかり見落としていた。しかし、いずれにしても、それらの理論は、光の速さを超える乗り物を作ることができないのと同じくらい、現代の技術では難しいことだった。それらはただ単に、光の速度を超えることができないということが科学的に立証されているのに対して、まだマシ、もしかしたら不可能ではないかもしれないというレベルに留まるものだった。とても八十年かそこらの未来で実現できるようなものではない。

「わたしがいた世界で最初のタイムマシンが完成したのは、西暦二千三十四年のことでした。欧州原子核研究機構で最初の試作機が作られたんです」

 田中唯は話続けた。もし田中唯が言っていることがほんとうだとしたら、今からたかだか二十年ちょっとで最初のタイムマシンが完成するということになる。

「原田さんも欧州原子核機構のことは知ってますよね?」

 僕は田中唯の問いに頷いた。

「スイスのジュネーブ郊外でフランスと国境地帯にある、世界最大規模の素粒子物理学研究所のことだよね? 僕も新聞とかで読んだことがあるよ。地下に巨大な全周二十七キロもある円型加速器があって……詳しいところまではわからないけど……その加速器を使ってものすごいスピードで陽子同士を衝突させると、これまでに観測されたことがない新しい粒子が発見されるかもしれないとか、もしかしたら、人工的にブラックホールを作ることができるかもしれないとか、そんな話を聞いたような気がする」

「そう!! まさにそれです。ブラックホールです!!」

 田中唯は僕の発言にいくらか興奮した口調で言った。僕はちょっとびっくりして田中唯の顔を見つめた。

「タイムトラベルにはまさにそのブラックホールを利用するんです」

 田中唯は語気を強めて言った。

「人工的に超ミクロなブラックホールを作り出してそれを利用すれば、タイムトラベルが可能になるんです」

 田中唯はテーブルの上のお冷を手に取って、一口飲んでからまた説明を続けた。

「タイムマシンにはカーブラックホールというものを使うんです。カーブラックホールというのは通常のブラックホールと少し違って、回転しているブラックホールのことですね。人工的にミクロ特異点を生成して、その表面に向けて電子を注入すると、質量と重力場を操作することができるようになるんです。こうやって操作できるようになった二つのミクロ特異点を超高速回転させることで、カー局所場ないし、ティプラー重力正弦波内の事象の地平面を拡大することができるようになります。そしてリング状特異点の環内に物質を通過させれば、タイムトラベルは完了です。もちろん、この際、別の世界線へと送り込む動作をシミュレート操作して、局所場を適合、回転、移動させる必要はありますけど」

「???」

 はっきり言って僕には田中唯の言っていることはちんぷんかんぷんだった。

「……ごめん。ちょっと僕には難しすぎるみたいだ」

 僕は苦笑して言った。

「こちらこそすみません。あまりこういうことに馴染みがないひとには分かり辛いですよね」

 田中唯も苦笑して言った。

「要するに、人工的に作りだしたブラックホールを利用してタイムトラベルをするわけです」

「なるほど」

 僕はわかったようなわからないようなすっきりとしない気持ちで頷いた。

「でも、このタイムマシンは色々と問題もあります。何しろ光の速さを超えて移動するわけではないですから、自分がいた世界と全く同じ世界の過去や未来に行くことはできないんです。わたしたちの世界にあるタイムマシンは、タイムマシンというよりかは、べつの世界線へ移動する装置といった方が正しいのかもしれませんね」

「ふうん」

 と、僕はまた話がややこしくなってきたなと思いながら相槌を打った。

「話をわかりやすくするために単純化すると」

 と、田中唯は言った。

「これはあくまでイメージであって、事実とは異なるんですけど、説明をわかりやすくするとこういうことになります。すみません、ひとつの円を想像してもらってもいいですか?」

 僕は田中唯に言われるがままに頭のなかにひとつの円を描いた。

「その円に、ブラックホールを利用して穴を空けるわけです。そしてその空けた穴をわたしたちは通過します。この穴を通り抜けると、タイムトラベルが完了するわけになるんですけど、この穴を通り抜けた先にあるのは、もといたわたしたちの世界ではないんです。わたしたちの世界とよく似たべつの世界の、過去や、未来なんです」

 田中唯はそう言ってから、テーブルの上の紙ナプキンを取り出した。そしていつも持ち歩いているのか、胸ポケットにあったボールペンを抜き取って、さっき取り出した紙ナプキンに棒線をいくつか並べて書いた。

「こんなふうに、わたしたちの世界とよく似た世界が平行していくつも存在していて」

 田中唯は棒線と棒線のあいだに矢印を書いて繋いだ。

「タイムトラベルをすると、この矢印みたいに、平行して、恐らく無限大に存在していると思われるべつの世界へ移動することになるわけです」

パラレルワールドだ」

 僕は言った。

「そう!! パラレルワールドです!!」

 田中唯は僕の顔を見ると、呑み込みの早い生徒を褒めるようににっこりとした。

「わたしたちの世界で発明されたのは、タイムマシンというよりかは、パラレルワールド、違う宇宙へ移動する方法ということになりますね」

「なるほどね」

 僕は言ってから片手で顎のあたりを触った。よくSF小説などでタイムパラドックスを解決する手段として、パラレルワールドという考え方が用いられるけれど、それはほんとうのことだったんだ、と、感心するというよりかは興奮した。

「つまり、僕がタイムトラベルをして自分の両親を殺したとしても、それは違う世界の両親を殺したことになるので、僕という存在が消えるということはないってことだね。世界は分岐して、べつべつに存在していくことになると」

「そういうことです」

 田中唯は僕の顔を見ると、よくできましたというように微笑んだ。

「そうか……なるほど」

 僕は呟いた。

「だから、さっきから田中さんは自分がいた世界とか、世界線とか言ってたんだ」

「そうです」

 田中唯は言ってからまたお冷を少し飲んだ。ウェイターがやってきて、少なくなってきていた僕と田中唯のお冷を注ぎたしてくれた。

「ほんの十年くらい前までは」

 田中唯は説明を続けた。

「ほんの少しの前の過去や、ほんの少し先の未来へしか、タイムトラベルをすることはできませんでした」

 どうして? というように僕は田中唯の顔を見た。

「あまり遠い過去や、未来へ行こうとすると、世界線のズレが大きすぎて、とんでもない世界にたどり着いてしまう可能性が高くなるんです。わたしたちが知っている世界とはあまりにもかけ離れた世界に」

 田中唯はそう言葉を続けてから、さっき書いた紙ナプキンを人差し指で示した。僕は視線を紙ナプキンに落とした。

「十年前の過去がこの棒だとしますよね?」

 田中唯が示したのはさっき矢印で繋げた棒だった。僕たちがいる世界を示す棒と隣り合っている。

「でも、五十万年とか、一億年とかになると、その棒がこのあたりになるわけです」

 田中唯は矢印で繋げた棒からかなり離れた場所に棒を書き足した。

「十年前くらいの技術ではとてもこの棒に安全に移動することはできませんでした。つまり、失敗を覚悟で、とんでもない恐ろしい世界にたどり着いてしまうことを覚悟のうえで、タイムトラベルするしかなかったんです」

 田中唯はそこで言葉を区切った。僕は黙って田中唯が新たに書き足した線を眺めていた。

「でも、最近になって」

 と、田中唯は再び口を開いた。

「新しいテクノロジーが開発されました。自分が行きたいと思っている過去の世界が具体的にどこにあるのか、その場所のデータをかなりの精度で割り出せるようになったんです。そしてそのデータをコンピューターに入力すればほぼ安全にその望の世界へ行くことができます。このテクノロジーの確立によって、わたしたちはかなりの大昔へ、つまり恐竜が実際に生きて動き回っていたような世界へも時間旅行することができるようになりました。といっても、この技術にもやはり限界はあって、あまりにも途方もない過去への時間旅行はできないんですけど……たとえば宇宙が生まれた瞬間とか」

「でも、すごいよ!!」

 僕はかなり興奮して言った。恐竜が実際に生きて動き回っているのを見ることができるなんて羨ましい限りだった。

「で、きみの任務は恐竜を見てくることだったの? そういえばブログで過去の地球を観察するためだったとか書いていたけど……それってつまり、恐竜の生体とか、何故、恐竜は絶命してしまったのかを調べるために?」

 田中唯は僕の問いに首を振った。首を振った彼女の表情はどことなく悲しそうに見えた。

「わたしたちの任務は五十万年前の地球を調べることでした。というのは、近年になって驚くべきことがわかったんです。それは五十万年前の人類がかなり高度な文明を築いていたということです。わたしたちの世界でも、つい最近まで人類が文明を持つようになったのは一万年前くらいだと考えられていたんですけど、でも、どうもそれが違っているということがわかってきたんです。どうしてそれがわかったのかというと、火星での調査が切っ掛けで……」

 僕は田中唯の顔から目が離せなくなっていた。

 

この物語の続きは以下で読むことができます。

 

https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%B8-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B33-%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC-%E6%96%B0%E6%83%B3%E7%A4%BE-%E6%B5%B7%E7%94%B0%E9%99%BD%E4%BB%8B-ebook/dp/B08RWPNZQ6/ref=sr_1_11?adgrpid=65349062810&hvadid=675333413902&hvdev=c&hvlocphy=9053312&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=1910378114813819263&hvtargid=kwd-333924203163&hydadcr=26708_11786302&jp-ad-ap

 

 

 

きさらぎ駅の謎に迫りたい‼2



 

今回のブログは前回の続きになる。つまり、きさらぎ駅はどのようにして生まれたのかについてだ。

 

 

前回のブログで書かせて頂いたのは、きらさらぎ駅というのは、死者の集合意識が作り出した異世界なのではないかというものであった。

 

ところで、もし仮にきさらぎ駅、及びそれに付随するものが、死者の集合意識が作り出した、ある種べつの世界であるのだとしたら、どうしてはすみさん―――いや、はすみさんの乗車していた電車は、そのような異世界に迷い込んでしまうことになってしまったのだろうか?(一応補足しておくと、はすみさんと一緒の電車に乗車していた乗客はみんな眠っており、きさらぎ駅という見知らぬ駅で電車を下車したのは、はすみさんだけである)

 

可能性として考えられるのは、はすみさんたちの乗る電車の進行方向に何らかの形で、死者の集合意識が作り出した異次元へ通じる扉のようなものが開いており、はすみさんたちの乗る電車は、この異次元の扉へ入り込んでしまった、というものだ。

 

 

この形であれば、はすみさんたちの乗る電車が異世界へ迷い込んでしまったことにも頷けるものがある。

 

 

だが、反面、この場合、電車の車掌が異変に気が付かないはずがない。はすみさんが実況中継で書いた掲示板を読む限り、電車の車掌が見知らぬ線路を走り始めて慌てふためいているといったような描写は見られない。

 

 

従って、奇妙な世界を走り続ける電車に乗り込むことになったのは、はすみさんだけだと考えられる。きさらぎ駅に到着寸前で、はすみさんが目にすることになった眠っている乗客たちは、死者の集合意識が作り出したある種の幻影だったのではないだろうか?

 

 

僕が思うに、はすみさんは電車に乗っているうちに、いつの間にか、はすみさんだけが、異世界へと移動してしまったのだ。

 

と、こう書くと、多くのひとはこう思ったかもしれない。それはおかしい。もしそんなことが起こったとしたら、誰かがはすみさんが急にいなくなってしまったことに気が付くはずだ、と。

 

だが、必ずしもそうはならないように僕には思える。

 

 

それは時間が関係している。

 

 

我々は時間は過去から現在、そして未来へと向かって流れていくものだと経験から思っているが、しかし、理論物理学者によれば、これは人間の錯覚に過ぎないという。

 

時間というのは、これ以上細かく分割することはできない、最小単位の空間のなかを、我々の意識が過去から未来へ向かって動いていく現象をいうのだという。

 

 

わかりやすくいうと、アニメがある。

 

 

我々には、アニメは絵が動いているようにしか見えないが、しかし、実際はアニメというのは、何千枚、何万枚もの絵を繋ぎ合わせてつくられたものだ。何千枚もの絵が連続して動くので、我々にはあたかも絵が動いているように見えるが、しかし、実際は絵が動いているわけではない。要は時間もこれと同じ理屈であるらしい。つまり、時間というのは、我々の意識が空間の上を移動していく動きをいうのだ。

 

 

と、ここからは完全に僕の空想になってしまうのだが、この空間を移動していく意識の動きというのは、ひとによって違いがあるのかもしれない。

 

 

つまり、どういうことなのかというと、時間の進み方には個人差があるのではないか、ということだ。

 

 

我々は時間というものは誰にとっても等しく平等に流れていくものだと思っているが、しかし、時間が、我々の意識が空間を移動していくことを言うのであれば、この動きには当然差があるように思える。

 

 

実際、楽しいことをしているときは、時間は速く過ぎるし、逆に退屈なことをしているときは、時間は遅く流れる。このとき、我々は楽しいことをしていたから、時間が早く流れたのだ、とか、あるいは逆に退屈だったから、時間の進みが遅く感じられてしまったのだ、とか、思ってしまいがちだが、しかし、真実は、本当に、実際に、時間は速く流れたり、遅く流れたりしているのかもしれない。

 

 

繰り返しになるが、時間というのは、我々の意識が空間の上を移動していく動きをいうのだ。そして楽しいことをしているとき、我々の意識は空間を早く進み、逆に退屈なときは、空間をゆっくりと進んでいるのかもしれない。もちろん、この意識の動きを意図的にコントロールすることはできないにしても。

 

 

つまり、何が言いたいのかというと、客観的な時間の流れと、主観的な時間の流れは異なっているということだ。たとえば、目の前に座っていた女性が忽然と姿を消してしまったとしても、その現象を見ている人物の意識の進み方がゆっくりだった場合、目の前から女性が姿を消してしまったことに気が付くことができない可能性かあるのだ。個人個人によって時間の流れ方が違うので、異変が起こったことを認識できないのだ。

 

と、こう考えると、はすみさんが忽然ともといた電車内から姿を消してしまったにもかかわらず、周囲にいた人間が誰もそのことに気が付かなかったことに上手く説明がつけられるような気がする。

 

 

ちなみに、はすみさんは、異世界と思われる場所へ移動したあとも、携帯電話を通じて現世界の人々とやりとりをすることができているのだが、これは電波には異世界の垣根を越えて通じ合える特殊な仕組みがあるからなのかもしれない。

 

 

と、今日のブログはこれで以上となる。このブログを最後まで読んでくださった方には感謝する。

 

 

またいつも書いていることではあるのだが、僕はこのようなアイディアをもとに小説を書いている。その小説の一部を掲載しておくので、もし気が向いたら読んでもらえると嬉しい。

 



          プロローグ

 

 

 宮崎県日南市は、日本列島を構成する、南西部の島の、その右真下からやや上に上った隅に位置する。太平洋側に面した、人口五万人程の小さな町だ。

 そしてそれは、宮崎県日南市近くの上空に突如として姿を現した。形は正三角形をしており、色は深い黒色だった。機体に窓のような構造物はなく、滑らかで、光沢のない、頑丈そうな金属で全て覆われている。大きさはちょうど戦車二台を横に並べて置いたくらいのものである。機体の底部は、動力源なのか、青白い光を放っていた。

 その奇妙な、正三角形をした黒い飛行物体は、日南市の海岸線付近の上空を非常にゆっくりとした速度で飛行していた。飛行しているというよりも、むしろ浮遊しているといった感じに近い。

 そしてその飛行物体のなかでは、これもまた黒色の、金属質な、身体の線がくっきりと浮きでるような衣服を身に纏った女性が、コクピットらしき場所に腰掛けていた。女性の顔は宇宙服のバイザーを思わせる、透明な覆いに覆われていた。そしてそのバイザーのなかにある、女性の顔は美しく整っていた。ギリシャ彫刻の彫像を思わせる、彫りの深い顔立ちだ。綺麗な弓形を描いた眉と、くっきりとした二重の瞳。そして通った鼻筋と、その下に広がる、いくらか厚みのある、濡れたような薔薇色の唇。肌の色は茶褐色で、髪の毛の色は黒だった。髪の毛の長さは背中のあたりまである。手足はすらりと長く、均整の取れた身体つきをしている。年の頃は二十四、五歳といったところだろうか。彼女は気を失っているのか、瞳を閉じてぐったりとして動かなかった。

「……ううっ」

 エシュナ・バルシアスはうめき声と共に、つかの間の失神状態から意識を取り戻した。それから、ゆっくりと閉じていた瞳を開く。

 ここはどこだ? エシュナはコックピットの外へ目を向けた。機体に窓はないのだが、機体の外の景色を内部の壁面に投影する装置があるので、問題なく外の様子を確認することはできた。

 エシュナが眼下に目を下ろすと、海が見えた。どうやら自分はどこかの海上を飛んでいるらしい。更に前方に目を向けると、陸地らしきものが見えた。まず海岸線があり、その海岸線に沿って黒いものが走っている。恐らく道路だろう。エシュナは首を傾げた。自家用航空機による移動が当たり前になったこの時代に、どうして眼下に見えるような原始的な道路を作る必要があったのだろう?

 陸地の奥に目を向けたエシュナの疑問は更に深まることになった。陸地の奥には木材を組み合わせて作られたような小さな建物群があるのだ。なんだ? これは? エシュナの思考の表層に最初浮かんだ素朴な疑問は、今や大きな混乱に変わりつつあった。それらの住居がエシュナの時代のそれと比べて、かなり原始的なものであるというのはもちろん、それらがエシュナがこれまで一度も目にしたことがないような形状をしていたからだった。

―――まるで異国の建物だ。エシュナは思った。それも、これまでに一度も発見されたことがないような特徴を持っている。しかし、エシュナのいた時代に、そのような未知のものが、存在しているとは到底考えられなかった。なぜなら、地球のありとあらゆる場所は探索され、調べ尽くされているからだ。今更未知の文明の発見等あるはずもなかった。それに、エシュナの世界の人々はどれほど貧しいひとであっても、もっと優れた、強度のある居住空間に住んでいる。

 ―――まるでこれは過去の世界ではないか? エシュナはそこまで考えてから慄然とすることになった。フラッシュバックするように、失神する前の記憶が蘇ってきた。

 自分は敵機に追いつめられていた。敵機から発射されたミサイルが自分の搭乗しているヴィマナに当たる寸前だった。そのため、エシュナは駄目で元々のつもりで、転移装置のボタンを押したのだ。目的地を定めることなく。それは一か八かのかけだった。通常そのようなことをすれば、亜空間に飲み込まれて死んでしまうことになる。

 だが、しかし、ごく僅かながら、助かる可能性もあった。上手い具合に、偶然に、どこかへ辿り着けるという可能性も、全くのゼロというわけではなかった。だから、エシュナはその僅かな可能性にかけて、ボタンを押した。それに、どのみちこのままでいても、死を待つだけなのだ。だったら―――そう思って、エシュナはボタンを押した。

 エシュナが転移装置のボタンを押した瞬間、エシュナの乗っていたヴィマナは暗黒に包まれた。エシュナの乗ったヴィマナは通常経験することのない、漆黒の暗闇のなかを猛スピードで落下していった。機体は激しく振動し、強い重力がエシュナの身体を圧迫した。そこで、エシュナの世界は暗転した。

 そして気がつくと、エシュナは見知らぬどこかの上空を漂っていたのである。エシュナが気を失って操縦桿を握っていないあいだ、セキュリティー機能が働いてくれたらしく、上手い具合にヴィマナは自動操縦に切り替わっていた。エシュナの乗ったヴィマナは墜落することはなかった。

 どうやら自分は助かったらしい―――エシュナはぼんやりとした感覚のなかで思った。本来は喜ぶべきところなのだろうが、事態はそう単純でもなさそうだとエシュナは思った。恐らく、あのとき、デタラメに転移値装置のボタンを押した際に、自分はどこかの過去の世界へとタイムスリップしてしまったようだ、と、エシュナは推測した。そういった例があるということを、エシュナは過去にヴィマナについて学んだ際に、誰かが話していたのを覚えていた。

 それにしても、一体ここは過去の地球のどの時代なのだろう? エシュナは思った。エシュナは自分の知識を総動員して、さっき自分が見た建物に相当するようなものがなかっただろうかと記憶を探ってみたが、今のところ何も思いつけなかった。恐竜が生息している等の、一目瞭然の特徴があれば、エシュナにもすぐに判断できるのだが。

 しかし、今眼下に見えている建物群に関しては完全にお手上げだった。皆目見当も付かない。エシュナが見知っている、どの時代のものとも、特徴が異なっていた。それに、そもそも、ここは、ほんとうに、過去の世界なのだろうか? エシュナがそこまで思考を推し進めたところで、唐突に、狭い操縦席内に、警告音がなり響いた。どうやら無理な時空間移動が祟ったらしい。推進システムの一部に支障が出始めているようだった。このままではせっかく命が助かったというのに、ヴィマナが墜落して死んでしまうことになるとエシュナは焦った。どこかにヴィマナを着陸させなければ。エシュナは眼下の景色に目を凝らすと、人気のなさそうな山林を見つけた。そしてエシュナは自動運転から手動運転に切り替えると、そこに静かにヴィマナを着陸させた。

 

 

 

 

 

 

 

        第1章 発掘された謎の遺跡

 

 

         1

 

 宮崎空港の自動ドアを潜って、今、ひとりの若い女の子が外に出て来た。背中のあたりまで伸ばされた髪の毛は明る過ぎない茶色に染められている。少し細い、綺麗な二重の瞳は、いくらか気が強そうな印象を見るひとに与えるものの、そこには明るく、活発そうな光が宿っている。顔立ちもまずまず整っている方だ。体型は細身で、余分なものがなにもついていないといった感じがある。身長は百六十五センチで、それは日本人女性の平均身長からすると、やや高い方かもしれない。装いは長ズボンにポロシャツ一枚といった格好で、オシャレさよりも、動きやすさに重きを置いているといった感じがある。これから旅行にでもいくところなのか、彼女の背中には大きなリュックがあった。

 早坂小百合は宮崎空港のロビーから外に出ると、大きく息を吸った。吸い込んだ空気は気のせいか、東京に比べると瑞々しく、澄み渡っている気がする。そして、微かに、海の匂いがした。真夏の太陽の光が、眩しく小百合の目を打つ。小百合は立ち止まると、周囲の景色を見回してみた。空港の駐車場を取り囲むようにして、ヤシの木を彷彿とさせる、背の高い木々が植えられている。まるでハワイに来たみたいだ。小百合は思った。もっとも、まだ小百合は一度もハワイを訪れたことはなかったのだが。

「気持ちの良い天気ですね」

 小百合のあとに続いて、ロビーから出てきた藤島さやかが明るい声で言った。藤島さやかは小百合が通っている大学のひとつ後輩だ。彼女は目が大きく、表情が楽しそうによく動く。髪の毛の長さはショートボブで、それを明るすぎない茶色に染めていた。体型はすらりとした細身の体型で、背の高さは百五十五センチとやや小柄だった。彼女も動きやすいさを重視した、長ズボンにティシャツ一枚といった格好をしている。さやかの背中にも重そうなリュックがひとつあった。

「ほんとだね」

 と、小百合はさやかの方を振り返ると、微笑んで相槌を打った。そして改めて、よくこんな今時の女の子といった感じのする娘が、自分の所属しているオカルト研究会に入ってくれたものだな、と、小百合は感心するというよりも不思議に思った。ちなみに、小百合は大学でオカルト研究会というサークルに入っている。そして小百合はその部長を務めている。付け加えておくと、さやかは小百合の所属しているオカルト研究会の唯一の一年生だった。

「ちょっと、置いていかないでよ」

 ふたりのあとから続いてロビーの自動ドアを潜って出来た、細身の、青年が軽く口を尖らせて抗議するように言った。彼の名前は佐藤健一といい、小百合と同じオカルト研究会に所属している。ついで言うと、彼の役職は副部長である。背は高くもなければ低くもなく、百七十二センチである。顔立ちは比較的整っている方ではあるが、どちらかというと女の人のように綺麗な顔立ちをしていて、それがやや気弱そうな印象を見る者に与えていた。彼の装いもティシャツにジーパンといった、ごく普通の、動きやすそうな格好をしている。前者のふたりと同様に、彼の背中にも大きなリュックがあった。

 今、宮崎空港のロビーから出て来たこの三人が、小百合が通っている大学の、オカルト研究会の全メンバーだった。一応、四年生がべつに四名いることはいるのだが、彼等は就職活動が忙しく、今はサークルの活動には全く参加していない。ちなみに、小百合と健一のふたりがともに二年生で、さっきも説明したように、さやかは一年生である。年齢は小百合と健一のふたりがともに二十歳。さやかが十九歳であった。

 部員が全部合わせても七名しかいないオカルト研究会はまさに存亡の危機に立たされているわけだが、しかし、今のところ、それを改善できる目途は全く立っていなかった。大学の入学式あとのオリーエーテーションではそれこそみんな必死になって勧誘したのだが、オカルトに興味がある、もしくはこれから興味を持っても良さそうだと思ってくれる人間は皆無に近いらしく、今年新たに入部を決めてくれたのは、さやか、唯一ひとりだけであった。それも、辛うじてなんとかといったところだったのである。諦めかけた小百合が、もう声をかけるのはこれで最後しようと思って声をかけたのが、たまたまさやかだったのだ。あのとき、諦めていたら、今頃さやかという一年生の存在はなかっただろうと小百合は思った。

 小百合たちは入学式以降も学食の掲示板に張り紙を出す等して、新しい部員を募集し続けていたが、今のところ、残念ながら、問い合わせは一件もなかった。どうやったらみんなにもっとオカルトの面白さを理解してもらえるだろうと小百合はこのところ頭を悩ませる日々だった。

 今回、オカルト研究会の三人が宮崎空港に降り立ったのは、とある目的があってのことだった。それは、毎年恒例となっている夏合宿を行うためである。

 小百合が所属しているオカルト研究会は、毎年夏休みになると、どこか特定の場所を決めて、その土地に関するオカルト研究を行うのが通例となっているのだが、今年はその場所に宮崎県が選ばれたのである(というのも、三人が夏合宿の候補地を選んでいる際に、宮崎県の日南市という場所で、たびたび奇妙な現象が報告されたからだ。たとえば地元の高校生が神隠しにあって姿を消してしまったという話や、UFOらしきものの目撃談、さらには海岸の岩場付近で、未知の遺跡らしきものの発見まであった)。だから、三人は満場一致で、宮崎県の日南市を合宿地として定めた。特に、今回の重要なポイントとなるのが、日南市の油津港付近だった。というのも、その付近で、謎の遺跡らしきものは発見されたのである。

 それは、未知の文字らしきものだった。楔形文字に似た、しかし、そうではない文字らしきものが、その油津港付近にある、あまりひとが立ち寄らない崖で発見された。そこは断崖絶壁に近い、険しい斜面になっており、普段は釣り人しか立ち寄らないのだが、そのときたまたまそこを訪れていた中学生が、その崖の岩場付近に、文字らしきものが刻まれているのを発見したのだ。

 中学生はその見つけた遺跡らしきものをすぐに学校の先生に報告したのだが、何しろ田舎の小さな町であるため、誰もそれがなんであるのか理解することができなかった。

 しかし、その後、その中学生が見つけたという古代文字の噂は徐々に広まっていき、やがて噂を聞きつけてやってきたアマチュア研究家が調査を行った。そしてその結果をインターネット上に公表した。

それは、古代に海に沈んだとされている、レムリア文明のものではないか、というものだった。

そのアマチュア研究家が発表した結果は、インターネット網を駆け巡り、日本全国各地に瞬く間に拡散した。しばらくすると、その、これまでに見たことのない文字群は、テレビ等のメディアでも大々的に取り上げられることになった。多くの報道陣や、取材関係者、または野次馬が、その遺跡らしものが見つかった地に押しかけた。テレビでも何度か謎の古代遺跡と称されて特集が組まれたりもした。

しかし、間もなく、大学の専門家が、古代文字のように見えるものは、崖が崩れてそのとき露出した岩の形状がたまたま文字のように見えたものであると結論付けたため、たちまちそれまでの熱狂的な騒ぎは失速してしまった。今では小百合たちのようなオカルトファンくらいしか、宮崎県の日南市の油津にある岩場を訪れる者はいなかった。

 

 小百合たちは空港のロビーを出ると、それから、電車に乗り換えて、一旦、南宮崎駅まで出た。そこで軽く昼食を食べたあと、三人は南宮崎駅から出でいる油津駅まで向かう電車に乗り込んだ。南宮崎から油津駅までは、おおよそ一時間程度の乗車時間である。

 三人が乗った電車は比較的空いていて、三人は向かい合わせに腰掛けた。窓の外には鮮やかな青色をした海を臨むことができた。夏の強い日差しを浴びて、海は眩しく乱反射している。水平線の向こうには大きな入道雲が見え、それはまさに夏の景色といった感じがした。道に沿って植えられている椰子の木に似た木々が、南国感を演出していて、小百合はつかの間、自分がオカルト研究会の合宿に来ているのだということを忘れてしまいそうになった。

「なんかこの際、合宿のことなんて忘れて、このままパッと気ままに海水浴にでも行きたい気分よね」

 小百合は窓の外に向けていた視線を、他の部員の顔に向けると、冗談めかした口調で言った。

「わたし、一応、水着持ってきたんですよ」

 小百合の隣に腰掛けているさやかがはしゃいだ声で言った。

「じゃ、海水浴いっちゃう?」

 小百合はさやかの顔を見ると、悪戯っぽい笑みを口元に浮かべて言った。

「ちょっと、ふたりとも、本来の目的、忘れてない?」

 と、それまで黙ってふたりのやりとりに耳を傾けていた健一が可笑しがっている口調で言った。

「それはもちろん、時間があまれば海水浴くらいしてもいいと思うけど、でも、取り敢えず今は、調査のことを考えないと」

「まあ、確かに」

 小百合は健一の指摘に微苦笑して頷いた。

「つい、綺麗な海に魅了されちゃいましたね」 

 と、さやかも苦笑して言った。

「確かに、綺麗な海は魅力的なんだけどね」

 と、健一は窓の外に見える海にうっとりした眼差しを注いで言った。

 三人はそれから少しの間、窓の外に見える明るいブルーをした海に、黙って視線を彷徨わせていた。

「だけど」

 しばらくの沈黙のあとで、小百合は健一とさやかの顔を見ると、話しかけた。

「ついこのときが来たのね」

 小百合はきらきらと瞳を輝かせて言った。

「わたし、この夏合宿の日が来るのを心待ちにしてたの。実を言うと、夜も眠れなかったくらい」

 小百合は微笑して言いながら、夏合宿の場所が決定してからのこの一ヶ月ばかりの日々を思い返した。

 小百合はこの日のために必死にアルバイトをしてお金を貯めた。ちなみに、夏合宿は一週間を予定していて、かなりの金額がそれで消えていってしまうことになった。一応、宿は上手い具合に、健一の親戚が日南市で民宿を経営していて、そこにただ同然の料金で宿泊させてもらえることになっていたが。

 しかし、それとはべつに、東京から宮崎まで飛行機代や、食費代等を工面する必要があり、それらの予算を捻出することは、あまり裕福とは言えない小百合にとって簡単なことではなかった。

 しかし、反面、小百合としては、それだけのお金を投資するだけの価値が、今回の合宿にはあると確信していた。何かもの凄い発見があるというような予感が、小百合のなかにはあった。

「僕もこの目で謎の古代文字を目にすることができるんだと思うと、わくわくして眠れなかったよ」

 と、健一も楽しそうに微笑んで言った。

「一体どんなものなんでしょうねぇ」

 と、さやかはまるでどこかの憧れの地を思い浮かべるときのような、遠い目をして言った。

「でも、もし、それが本物だったとしたら、それは大発見よね」

 小百合は興奮のために、やや声を大きくして言った。

「古代の失われた文明が、まさか、この日本に在ったなんて」

「レムリア大陸が、実は日本の、宮崎に在ったなんて到底信じられないような話だけど、でも一応レムリアは太平洋側に在ったとされているし、しかも、海に沈んでしまったらしいから、今回の発見は全くのデタラメとも言えないんじゃないかな?」

 健一は明るく瞳を輝かせて言った。

「さすがにレムリアの首都が宮崎に在ったなんてことはないだろうけど、でも、辺境の一都市くらいだったら、こういうところにあったとしても、べつにおかしくはない気がするな」

「もしかしたら、今回わたしたちが日南の油津で更なる大発見をしたりして!」

 さやかも健一に続いて楽しそうな口調で言った。

 そのようにして三人は、周囲の人間に胡散臭そうな目で見られているのも構わずに、油津駅に辿り着くまでのあいだ、ノンストップで失われた古代文明について熱く語り続けた。

 

      2

 

 小百合がオカルト関連の話題に興味を惹かれるようになったのは、もうもの子頃ついたときからだった。そうなることに、特に印象的な出来事があったわけではない。いつの間にか気がつくと、小百合はそういった話題の虜となっていた。アトランティス文明だとか、ムー大陸だとか、UFOだとかいった話に。そういった話を耳にすると、小百合はわけもわからず胸がときめくのを感じた。それはまるで金銀財宝が一杯に詰まった宝箱を探しにいくような感覚と似ていた。テレビでそういった特集がやっていると、必ずビデオに録画して何度も見た。最近ではそういった番組はめっきり少なくなってしまったが、反面、今はインターネットを使って、いくらでもそういった情報について調べることができるので、小百合の興味がつきることはなかった。

 しかし、その一方で、こういったことに興味関心を示す友達は、小百合の周囲では驚くほど少なかった。特に、女の子に至っては皆無と言ってもよく、もし、そんなことを口にしようものなら、眉をひそめて、まるで頭の可笑しい人でも見るような目で見られてしまうのが常だった。

 男の子であればまだ女の子程極端ではなかったものの、しかし、やはりその反応は決して小百合を満足させてくれるものではなかった。一応話は聞いてくれるものの、彼等がそれらのことに対して、ほとんど興味を持っていないのは明らかだった。

 だから、小百合の方でもいつの間にか、自分の本当の趣味は隠して生きることが当たり前になっていった。こんなことを言うと、変な目で見られてしまうから黙っていよう、と。そしてあたかも自分がみんなと同じことに興味関心を持っているふりをして、これまで生きて来た。どこかに、自分と同じようなことに夢中になってくれるひとはいないものだろうかと物足りなさを感じながら。

 そして、そんな生き方が、大学に入ってからは、一変することになった。もちろん、その絶対数は圧倒的に少なかったものの、しかし、小百合は大学に入ってから自分と同じ仲間を見つけることができたのである。入学式のあと、勧誘されて入ったサークルにおいて。そこにいるひとたちは、小百合と同じように、あるいはそれ以上に、世間一般のひとからしてみれば、胡散臭くて、バカバかしい思えることに夢中になっていた。それからというもの、小百合の毎日は明るく輝くようになった。大袈裟に言うと、小百合は生きがいのようなものを感じるようになっていた。

「あっ、UFO」

 油津駅に到着して、歩き出して少ししたあと、小百合の真横でさやが空を見上げて言った。

「うそ⁉」

 小百合はさやかの言葉を耳にして、慌ててさやかが見上げている空のあたりに視線を向けてみた。すると、驚いたことに、遠くの空に、何かUFOらしきものが浮かんでいるのが見えた。

「ほんとだ」

 小百合は空を見上げたまま、半ば呆然として言った。小百合にとってそれは生まれてはじめて目にするUFOだった。UFOはほんとうに実在していたんだ、と、小百合は信じられない気持ちで思った。

「うわっ。ほんとだ!」

 と、健一も空に浮かぶUFOの存在に気が付いたらしく、小百合の隣でどこか間の抜けた声で言った。

 距離があるのではっきりとしたことはわからなかったが、UFOらしきものは、小百合がイメージしているものとは違って、三角形をしていた。機体の色は黒色である。その三角形をしたUFOらしき物体は空を飛んでいるというよりも、漂っているという感じに近かった。三人がじっと空に目を凝らしていると、黒い三角形をした飛行物体はそのままゆっくりとした速度で、まるで風に流れさて行くような恰好で、山側の方に見えなくなった。

「うわー。僕、はじめてUFO見たよ!」

 UFOの姿が完全に視界から消えると、健一が小百合とさやかの顔を見て、感激している表情で言った。

「わたしもです!」

 と、健一のあとに、さやかが興奮して言った。

「いきなりUFO見れちゃったね」

 と、小百合はさっきまでUFOが飛んでいた空間にもう一度目を向けながら、まだ呆然と、がつんと頭を殴られたような気分で言った。

 

       3                   

 

 三人は駅から五分ほど歩いたところにあった、ABURATUCAFEというカフェで休憩を取ることした。そのカフェは寂れた商店街の入り口付近にあった。閑散としている商店街とは対照的に、そのカフェは今風の、アメリカの大手チェーン店を意識した作りになっていて、オシャレだった。こんなところに今風のカフェがあるのかと感心しながら三人は店内に入り、レジでそれぞれ商品を注文した。そしてそのあと広々とした店内にあるソファー席に腰を下ろした。程なくすると、注文したコーヒーとケーキが運ばれてきて、それを口にしながら、三人は先ほど目にしたものについてそれぞれの意見を交換し合った。

「さっきのUFOって、この前も目撃されたっていうやつなのかなぁ?」

 健一がケーキをフォークで掬いながら、考え込んでいる口調で言った。

「この前って、つまり、わたしたちが合宿の候補地を選んでるときに、宮崎でたびたび目撃されたUFOのこと?」

 小百合は健一の顔に視線を向けると、確認してみた。

 すると、健一はそうだというように首肯してみせた。

「でも、わたし、インターネットの動画で宮崎県のひとが撮影したっていうUFO見ましたけど、それはさっきのやつとは違う形をしてましたよ。葉巻型で、銀色のやつでした」

「……ということは、さっき僕たちが見たのは、それとはまたべつ系統のものっていうことなのかなぁ……」

 と、健一はさやかの言葉に、軽く首を傾げると、思案顔で呟くように言った。

「それにしても、どうしてここ最近、この宮崎県でUFOの目撃談とか、そういう不思議な現象みたいなものが続いてるんでしょうね?」

 さやかがコーヒーを一口啜ってから、不思議そうに口にした。

「もしかするとなんだけど……」

 小百合はコーヒーを飲んでから、躊躇いがちに口を開いた。小百合は他のふたりの視線が自分の顔に集まってきているのを感じた。

「この宮崎県の日南市という場所が、何かの特異点みたいな場所になってるっていうことは考えられないかしら?」

特異点?」

 健一が眉根を寄せて小百合の顔を見つめた。

 小百合は健一の顔を見つめ返すと、頷いて口を開いた。

「つまり、ちょっと実際とは違うと思うけど……この付近が一種のパワースポットみたいになってるんじゃないかって思うの」

 小百合の言葉に、健一とさやかのふたりは、小百合の説明の続きを待つように黙っていた。

 小百合は再びコーヒーを飲んでから、説明を続けた。

「わたしの考えによると、全国各地にあるパワースポットみたいな場所って、要するに、異世界異世界のつなぎ目になってるんじゃないかって思うのよ。みんなもパラレルワールドっていう考え方は知ってるでしょ?」

 小百合はそこで言葉を区切ると、確認するように健一とさやかの顔を見回した。

「知ってます」

 と、さやかが心持ち硬い声で返事を返した。

「つまり、多世界解釈ですよね? わたしたちは常に何かしらの選択をしながら生きている―――たとえば朝起きてコーヒーを飲むか、紅茶を飲むか―――そして実はこの選択のたびに次々に世界は分岐して増えていっているんじゃないかっていう―――コーヒーを飲むことにした自分がいる一方で、紅茶を飲むことにしたわたしもべつにいて―――このようにして世界は、選択の数だけ、ありとあらゆる可能性の数だけ、存在しているんじゃないかっていう考え方―――」

 小百合はさやかの発言に、その通りというように頷いてみせた。

「そして一説によると、この無数に存在している世界と世界を区切っているのは、振動数だと言われているの」

 小百合は言った。

「振動数?」

 健一がわけがわからないといったように、しかめ面に近い表情で小百合の顔を見つめた。

 小百合は健一の顔を見つめ返すと、口を開いて言った。

「実際とは違うんだけど、話をわかりやすくするために単純化すると、たとえば、AとBという二つの違う世界があったとすると、それぞれの世界はそれぞれの違う振動数を帯びているの。たとえば〇と△といった具合にね。そして両者の世界はこの振動数の違いによって、同じ空間に重なって存在しているにもかかわらず、交わることなく、分離独立して存在することが可能になっているんじゃないかって言われているのよ」

「……なるほど」

 健一は小百合の科白に腕組みすると、眉間に皺を寄せて難しい顔つきをして頷いた。

「そしてわたしの考えでは」

 と、小百合は更に言葉を継いで言った。

「もっと考えを飛躍させて、これらの無数の違う世界は膜みたいな感じで何層にわたって存在しているんじゃないかって思うの。上下左右に。で、これらの違う世界と世界の接地面が、いわゆるパワースポットなっているんじゃないかってわたしは思ってるの。世界と世界の境界線からエネルギーみたいなものが漏れ出しているんじゃないかって。そして更に言うと、この世界と世界の境界線みたいなものは時間―――時間というか、時期によって、ランダムに変わるんじゃないかしら? たとえば、ひとつひとつの世界は浮遊物みたいなもので、それは広大な空間、海のような場所を漂っていて、ときどきこれらの世界と世界が―――たとえとしての海面上みたいな場所で、衝突するようなことがあるんじゃないかしら? もちろん、このとき、世界と世界の、どの部分が、接触することになるのかはそのときによって異なることになる。それは右の角なのかもしれないし、左の角なのかもしれないわ。そして今回その場所が、たまたま宮崎県の日南市だった、っていうことは考えられないかしら?」

「それ、面白い考え方ですね!」

 小百合の発言に、さやかが興奮した様子でいくらか前のめりになって言った。

 一方で、健一は腕組みしたまま、必死に小百合の言ったことを理解しようと努めている様子だった。

「世界と世界の接地面?」

 健一は視線を天井の方へ向けて呟くような声で言った。

 小百合の目から見ると、健一の頭上には大きな? マークが浮かんでいるように見えた。

「健一、頭のなかにひとつの箱を思い浮かべてみて」

 と、小百合は健一の顔を見ると言った。

「そしてそのひとつの箱が、わたしたちが存在している世界なの。更に、その箱は広大な海のような場所を漂っているの。どう? イメージできた?」

 健一は小百合の問いかけに、小百合の顔を一瞥すると、おずおずといった感じで頷いてみせた。

 小百合は健一が頷くのを確認すると、言葉を続けた。

「そしてその海のような場所を漂っているのは、わたしたちの世界だけではないのよ。周りに、もっと複数の、数えきれないくらいの箱が、つまり世界が、漂っているの。更に言うと、わたしたちの世界が漂っている海、あるいは面とはべつにも、面、ないし、海が、上方向にも、下方向にも存在しているのよ。たとえば、紙の上に三本の線を並べて書いたみたいに。それでこの海というのは、常に不安定に揺れ動いているの。さっき言った、紙に書いた三本の線をイメージしてもらえればわかりやすいと思うんだけど、この三本の線は常に不安定に揺れ動いているの。わたしたちのいる、真ん中の線が持ち上がって上の線とぶつかったり、あるいは真逆に、下に下がって、下の線とぶつかることもある。この線がぶつかったとき、わたしたちの乗っている箱と、他の箱、つまり、世界と世界が接触することがあるんじゃないかしら? もちろん、このとき、箱と箱が接触する面はその度に異なることになる―――それが、さっきわたしが言っていた世界と世界の接地面の話。そしてその接地面が、今回たまたま宮崎県の日南市になったんじゃないかっていう考えなの。一応付け加えておくと、わたしたちが浮かんでいる線にも、箱は、つまりパラレルワールドは無数に存在しているから、わたしたちが存在している線上においても箱と箱の―――世界と世界の接触は常に起こっていると考えられるわ」

「……なんか、わかったような、わからないような……」

 健一は小百合の顔を見つめると、ぎこちなく口角を持ちあげて答えた。

「でも、もし、小百合さんの言っているように、そんなにたくさんの無数の世界が存在していて、それが常に衝突を繰り返しているような状態なら、どうしてわたしたちはそのことに気が付かないんでしょうね?」

 さやかが小百合の顔を見て、悩まし気に眉根を寄せて言った。

「……それはたぶん、普段はごく近い場所にある世界と世界の衝突しか起っていないからじゃないかしら?」

 小百合はさやかの顔を見ると、答えて言った。

「ごく近い場所にある世界と世界が衝突しても、両者の世界にはほとんど違いというものがないから、わたしたちはそのことに気が付くことができないのよ。たぶん。違いがはっきりと表れるのは、さっきも言ったように、わたしたちの世界が漂っている面の上方向、もしくは下方向の面にぶつかったときだけよ。恐らく。このときにだけ、常識では考えられないような不思議な現象が起こるんじゃないかしら? たとえばこの前高校生が神隠しにあったという話や、一時的なタイムトラベルとか、そういった例―――でも、もちろん、これは全部、ただのわたしの妄想みたいなものに過ぎないわけなんだけど」

 小百合はそこで言葉を句切ると、自分が語ったことを冗談に紛らわすように苦笑めいた微笑を口元に浮かべてみせた。

「なるほどおぉ」

 と、しかし、さやかは小百合の言ったことを完全に鵜呑みにしている様子で、腕組みしながら、やけに感心して頷いた。

「わたしたちの世界が存在している面が大きく振れたときにだけ、不可解な現象が起こるって言うわけですね」

「……まあ、さっきも言ったと思うけど、実際にそうだっていう証拠はどこにもないんだけどね」

 小百合は微苦笑して、さやかに向かって再度指摘した。

「とすると」

 と、さやかは小百合の言ったことは完全に聞き流して続けた。さやかはそれまで伏せていた眼差しを上げると、ハッとした表情で小百合の顔をじっと直視した。

 小百合はさやかの瞳のなかに宿る光がやけに真剣なものだったので、軽くたじろぐことになった。

「なに?」

 と、小百合はさやかの顔を見つめ返すと、軽く身構えながら訊ねた。

「ということは、もし、小百合さんの言ってる通りだとすれば、今、この日南市では大きな面の揺れが起こっているというわけですよね? 本来は衝突することのない、世界と世界の衝突が起こっている可能生がある、と」

「……まあ、そういうことになるのかな?」

 小百合はさやかのあまりの気迫に軽く気圧されながら頷いた。

「これはすごい! これはすごく興味深いことですよ! 小百合さん!」

 さやかは何かのスイッチが入ったように大きな声を出した。

「わたし、何か自分がすごいことを体験できるような気がしてきました!」

「……そ、そう?」

 小百合はさやかの異様なテンションの高さにいくらか面くらいながら頷いた。そして、さやかってこんな娘だったんだ、と、若干引き気味に小百合は思うことになった。

 

       4

 

 エシュナ・バルシアスは、半ば不時着させるような形で、乗っていたヴィマナを山林のなかに着陸させた。

 それから、エシュナは自分の居場所を周囲の重力波から測定しようと試みたが、それは上手くいかなかった。強引な時空間移動は計器類にも激しい損傷をもたらしたようで、まともに自分がいる場所を割り出すことができなかった。算出された計算によると、今、自分が居るのは未来の地球だということになったが、それはどう考えてもあり得ないことだった。もし、本当にここが、未来の地球であるのなら、どうしてさっき見た構造物は、あんなにも時代遅れだったのだろう? エシュナには理解できなかった。

 ―――どうすればいい? エシュナはコクピットのなかで頭を抱えた。

 エシュナには重要な任務があった。それは、火星で見たことを、危険を、地球の仲間に伝えることだった。その情報は、地球の未来を、仲間の未来を、大きく左右する。そのために、自分は無数の敵機の追跡を振り切って逃げてきたのだ―――その途中で、多くの仲間が犠牲になってしまった―――エシュナは死んでいった仲間の顔を、閉じた瞼の暗闇のなかに思い浮かべた。

 エシュナは泣き出しそうになったが、頭を振って、なんとか正気を保った。 仲間のためにも、なんとしても自分はもとの世界へ―――もとの世界の地球へ戻らなければならない、と、エシュナは心にグッと力を入れるようにして思った。そのためには、自分の乗ってきたヴィマナをどうにか再び使えるようにしなくては。

 エシュナはコクピットのハッチを開くと、ヴィマナの外へ出た。そして機体の周囲を歩いて回って、損傷の程度を調べてみた。

 すると、その結果は絶望的なものとなった。……これはもう駄目だ。エシュナは愕然とするように思った。

 機体の底部にある、ボーリングボール程の大きさの丸いクリスタルに亀裂が走っているのだ。これはヴィマナの動力源に当たるもので、宇宙にあるフリーエネルギーを推進力に変えることができる。特に、時空間移動には欠かすことができないものだった。だから、当然、これをなんとかしないことにはエシュナは元の世界へ戻ることはできない。

 しかし、これを個人の力で修理するのは到底不可能なことだった。これを修理するためには、ヴィマナの製造工場等へ持って行く必要がある。だが、無論、そんなことはできない―――他に方法として考えられるのは、どこかから真新しい、無傷のクリスタルを持ってくるということだったが、これもまず不可能だと思われた。

 ―――仲間に持ってきてもらうというのはどうだろうとエシュナは思いついて、すぐに失笑した。エシュナは思った。そもそもどうやって仲間と連絡を取り合うつもりなのだ、と。自分の居場所を測定することができない以上、仲間と連絡を取り合う術はない。またもし仮に測定することができたとしても、当然敵側から妨害波が出ているだろう―――そのために、自分はわざわざ火星から地球へと物理的に移動することを選択したのではなかったか? 妨害波のために、地球へ直接連絡を取ることができなかったために。それにそもそも、時間を超えて通信を行うことは、技術的にかなり困難だ。

 エシュナは自分の置かれている状況に軽い目眩のようなものを覚えて、近くの地面に腰を下ろした。

 風に吹かれて木々の葉がそよぐ音が聞こえる。それから、鳥の鳴く声。空は薄い水色をしている。腕についている大気の状態を測定できる装置で調べてみると、今、自分の周囲の環境は安全だということが確認できた。

 エシュナは自分の頭をすっぽりと覆っているバイザーを取り外した。その途端に、新鮮な空気が肺のなかに流れ込んできた。微かに、緑の匂いがする。顔を照らす日差しには勢いがあり、それは恐らく、夏のものだと思われた。自分の身に纏っている強化服は体温調節機能があるので暑さは感じなかったが、もしこれがなかったら、すぐに汗だくなっていただろうとエシュナは思った。極寒の世界よりかは遙かにマシだが……。

 エシュナは自分を取り巻く環境がひとまず安全だとわかって、先ほどまで自分の心を支配していた極端な絶望感がやわらいでいくのを感じた。しっかり頭で考えれば、何か解決策が見つかりそうな気もする。

 エシュナがヴィマナを着陸させたのは、見晴らしの良い、木々の切れ間のような場所で、そこからは町のような構造物を眼下に見下ろすことができた。

 眼下に広がる平野部に、さっきも目にした、木材を組み合わせた作られた居住空間と、その他にももっと大きな、石のような質感のあるものを組み合わせて作られた、背の高い建築物があるのがエシュナの目に確認できた。それらはエシュナの居た時代のそれに比べると、遙かに見劣りのするものではあったが、しかし、そこで上手くすれば、ヴィマナを修理するにあたって必要なものを調達することができるかもしれないとエシュナは考えた。

 ―――取り敢えず、あそこへ行ってみよう、と、エシュナは思った。エシュナは腰のベルトの左側面にあるボタンを押した。

 すると、エシュナの腰のベルト中央部にある、ピンポン球程の大きさの丸いクリスタルが青く輝き、その次の瞬間、エシュナの身体はふわりと宙に浮かびあがっていた。

 エシュナの腰のベルトに埋め込まれているのは、ヴィマナに搭載されているクリスタルの簡易版といったところで、重力制御による簡単な飛行を可能にした。前に進んだり、後ろに進んだり、止まったりといった操作は、エシュナが目に装着しているコクタクト型のコンピューターと連動して行われる。またエシュナの時代の人々は大半の人々が脳内にコンピューターを取り込んでいた。

 エシュナは宙に浮かび上がると、眼下に見える町を目指して滑空を開始した。エシュナの身体は鳥のように急斜面を降下していき、間もなく、町の入り口あたり到着した。

 エシュナはそこにどのような人々がいるのか判断できなかったので、ひとまず様子を見ることにした。

 エシュナが降り立ったのは、舗装された黒い道路だった。道路の隅の方には何か文字の書かれた看板のようなものがあり、そこには実は宮崎県日南市と書かれてあったのだが、エシュナにはもちろんそれを解読することはできなかった。エシュナに理解することができたのは、ただそれが文字らしき規則性を持ったものだということだけだった。

 ―――ここは明らかに異世界であるようだ、と、エシュナは感想を持った。文字も言葉も違っているらしい。脳内に埋め込まれているコンピューターを使っても判断することができないということは、全くの未知のものであるということなのだろう。

しかし、しばらくすれば脳内に埋め込まれたコンピューターが、この異国の文字や言葉を解析し、自分にも理解できるようにしてくれるだろうとエシュナは思った。

 エシュナは取り敢えずといった感じで、前方に向かって歩き出した。

 しばらく歩いた先に、比較的大きな、石とも違う、何かそれに似たものを組み合わせて作られたと思われる大きな建物が見えていた。エシュナはそこまで歩いていってみようと思った。

 すると、歩き始めてから間もなく、エシュナは背後から大きな楽器の音のようなものを浴びせかけられることになった。

 エシュナが軽く驚いて振り返ると、そこには鉄で出来た、原始的な乗り物があった。コックピットの部分は透明なガラスで覆われていて、そのなかにいる、平たい顔の女が憤怒の形相を浮かべていた。

 どうやら今自分が歩いているのは、鉄で出来た原始的な乗り物のために作られたものであるようだとエシュナはすぐに気がつくことになった。

 エシュナは口元にごめんなさいねといったような微笑を浮かべると、鉄でできた箱のような形状をした乗り物に対して道を譲った。

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きさらぎ駅の謎に迫りたい‼



みなさんは『きさらぎ駅』をご存知だろうか? 『きさらぎ駅』はあまりにも有名なので、恐らくほとんど全てのひとがご存知であるとは思うのだが、しかし、知らない方もいらっしゃるかもしれないので一応念のために簡単に説明しておくと、『きらざき駅』というのは、西暦2000年のはじめ頃に、ネットの掲示板に実況中継式で書かれた怪異体験の話になる。

 

 

具体的には、はすみという名前の女性が、会社から帰宅しようと終電間際の電車に乗車すると、何故かその電車がなかなか駅に停車せす、ばかりか、きらざき駅という、本来であれば存在しないはずの駅に到着し、その駅になんとなく降りてしまったはすみさんが様々な怪異体験をしたのちに、そのまま消息を絶ってしまうという話になる。

 

 

この『きさらぎ駅』という話は、現実的に考えればあり得ない話なので、恐らくは作者が自分の妄想を含まらせて描いたものだとは思うのだが、しかし、もしこのようなことが本当に起こったのだとしたら、それは何が原因となって起こったのだろうか?

 

 

可能性として考えられるのは、はすみさんが電車に乗っているあいだにいつの間にか、並行世界に移動してしまっていた、という線だろう。

 

 

だが、もし並行世界に移動してしまったのだとしたら、はすみさんが移動した世界というのは、この我々が暮らしている現実世界から乖離している部分が多すぎるような気がする。

 

 

というのも、並行世界というのは、我々の世界と隣り合った世界のはずなので、はすみさんが体験した世界のような、極端な違いというものはないと思われるからだ。更にいえば、はすみさんは並行世界に移動してしまったということでは説明がつけられないような現実離れたした体験をしている。

 

 

たとえば、はすみさんが駅のフォームから降りて線路をトンネルに向かって歩い行こうとした際に、背後から「そっちへいくと危ないよ」と声をかけてきた、片足しかない老人などがそうだ。

 

 

そこで僕が辿り着いた解答は、はすみさんは電車に乗っているあいだに、いつの間にか、死者の集合意識が作り出した、限定的な異世界に迷い込んでしまっていたのではないか、というものだ。

 

 

どうして僕がこのような結論に辿り着くことになったのかというと、それは幽体離脱に伴う体験があげられる。

 

 

幽体離脱というのは、身体から幽体が抜け出した状態をいう。そしてこうした体験をしたことがあると語るひとは比較的多い。夜眠っているときに金縛りにあってしまい、その状態から抜け出そうともがいていると、ふとした拍子に、意識、つまり幽体だけが自分の身体から抜け出してしまい、眠っている自分の姿を天井のあたりから見下ろすことになった、などといった体験談が数多く報告されている。

 

ところで、慣れてくると、この幽体離脱状態を意図的に起こすことができるようになるらしい。そして更にこれを極めていくと、幽体離脱者は、そこで自分の思った通りの世界を作り出すことが可能になるようだ。

 

 

僕が知っている興味深い体験談には、幽体離脱後、ドラゴンボールに出てくるフリーザと、戦える世界を作り出したというものがあった。

 

 

また興味深いことに、遊離離脱後は現実世界で起きて活動しているときと全く同じように感覚が鋭敏になり、まさに本当にフリーザと戦っているような体感が得られたということだ。

 

 

と、ここまで書けば、僕が一体何をいわんとしているのか、だいたいのひとが察しがついていると思うのだが、果たしてその通りである。

 

 

僕が想像するに、はすみさんは電車に乗っているどこかのタイミングで、死者、それも複数の死者が作り出した、想像上の世界に迷い込んでしまったのではないだろうか?

 

 

だがらこそ、その世界は並行世界とは違い、様々な怪異現象が起こるし、現実ではあり獲ないようなことが起こるのではないか、と。

 

 

と、こう書くと、当然ながら、何故はすみさんだけがそのような世界に迷い込んでしまうことになったのか? と疑問に思われる方が出てきそうだが、しかし、そろそろ文章が長くなってきたので、この続きは次回のブログに記載したいと思う。

 

 

今日もこのブログを最後まで読んでくださった方には感謝する。

 

 

またいつも書いていることで恐縮ではあるのだが、僕はこのような発想をもとに小説を書いており、それらの小説を様々な電子書籍販売サイトから販売している。もしこのような話に興味関心があるという方がいらっしゃったら、下記にリンクを貼っておくので、この機会にぜひ見てもらえると、僕としては非常に励みになる。

 

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ではまたのブログお会いしよう‼

 

 

 

 

 

 

かつて地球の重力は今よりも軽かった⁉

 

 


夜空に輝く銀色の美しい衛星―――月。その月の表面には皆さんもご存じの通り、うさきを彷彿とさせる黒い模様がある。今回のブログではこのうさぎを彷彿とさせる、月の黒い模様の謎について書いていきたい。

 

 

先日また例によってyoutubeを見ていると、月刊『ムー』の編集長である三上丈晴さんが、非常に興味深い月に対する考察を述べられていた。

 

 

冒頭で述べた通り、月の表面にはうさぎの姿を彷彿とさせる黒い染みのようなものが存在する。そしてこの黒い染みの部分をよく見てみると、そこにはクレーターの跡がほとんどないということがわかる。

 

 

つまり、この黒い染みのようなものは、比較的最近になって出来たものであるということだ。三上丈晴さん曰く、この黒い染みのようなものが形成されたのは、恐らく今から一万数千年前のことだろうということであった。

 

 

逆にいうと、今から一万数千年前に月に相当な変化をもたらす出来事が起こったということだ。

 

 

ところで、月に関してよく言われるのが、月というのは、地球の衛星にしては大きすぎるということだ。他の惑星に存在する衛星と比べて、月はそのサイズが極端に大きいらしい。

 

 

一般的に月は、地球が形成されかかっているとき、隕石などがぶつかって、地球から分裂して出来たものとされているが、しかし、三上丈晴さん曰く、コンピューターを使ってどれだけシミュレーションを重ねても、このような結果になることはないらしい。

 

 

従って、今有力になってきているのが、月はもともと地球の衛星ではなかった、という説であるらしい。宇宙を彷徨っていた月がたまたま地球の重力に捕らえられた結果、地球の衛星となったのではないか、という説が、現在真剣に議論されているらしい。

 

 

そしてもし、この仮説が正しかったとすると、かつてこの地球には、月は存在していなかったことになる。

 

 

さて、ここで話はもとに戻る。現在月の表側に存在する黒い染みのようなもの―――これはどのようにしてできたのかというと、それは月の内部構造物が溢れ出した結果によるものであるらしい。つまり、かつて月に何かが激しく衝突し、その結果、月の内側から大量の物体が溢れ出したのだ。

 

 

ちなみに、月の内部には現在もなお大量の水が存在していることがわかっているが、かつては今以上にたくさんの水が存在していたことはほぼ間違いないことだろう。

 

 

そして今から一万数千年前に月で起こった出来事―――何かが月に激しく衝突し、月の内部構造物が外に溢れ出すほどのインパクトが起こったとすると、当然、このとき、月の内部にあった大量の水も、月から溢れ出ることになったはずだ。

 

 

では、このとき溢れ出した水は一体どこへ行ったのかというと、それはもちろん、地球へ到達することになったのだ。大量の雨として。

 

 

月から溢れ出した水は、大量の雨となって地球に降り注ぎ、この結果、地球の陸地のほとんど全てが海に沈んでしまうことになった。陸地が水に沈んでしまったことにより、陸上に生息していた生物の大半が絶命してしまうことになった。しかも、悲劇はこれだけに留まらず、大量にもたらされた月の水は、地球の質量を増幅させることになった。つまり、地球の重力はそれまでよりも強くなったのだ。

 

 

この結果、恐竜などの身体の大きい生物は、地球の重力の変化に対応することができず、絶滅してしまうことになった―――というのが、今回僕がyoutubeで目にした、三上丈晴さんの月に関する歴史の話であった。

 

 

なお、興味深いことに、臨死体験で有名な木内鶴彦さんも、幽体離脱で過去の地球の歴史を見て来られた際に、三上さんが述べられた説とほぼ同じような地球の歴史を見られているようである。

 

 

従って、youtubeで三上さんが語られていたことは、真実である可能性が高いのかもしれない。

 

 

と、これで今日のブログは以上となる。今回もこのブログを最後まで読んでくださった方には感謝する。またいつも書いていることで恐縮ではあるのだが、僕はこのようなアイディアをもとに小説を書いており、それらの小説を様々な電子書籍サイトから販売している。もしこのような話に興味関心があるという方がいらっしゃたら、ぜひこの機会に一度ご覧になって頂けると、筆者としては非常に励みになる。

 

 

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意識を覚醒させれば、過去や未来へ自由に行き来できる⁉

 

 

 


このところ猛暑が続いているが、皆さん、夏バテなどされていないだろうか? 僕はこのところ暑くて、部屋にひきこもりがちである。いや、いつもか。

 

 

さて、今回のブログでは時間についてふと思うところがあったので、そのことついて書いてみたいと思う。

 

 

皆さんは時間についてどういった認識をされているだろうか? 

 

 

恐らく、ほとんど全てのひとが、時間とは過去から未来へと向かって流れていくものであると認識されていることだろう。そしてそれは例外なく僕も同じである。時間とは常に前に向かって進み続けるものであり、過去に戻ることはできず、また未来はまだ来ていないので存在していない、と。

 

 

ところが、理論物理学者の話によると、この人間の認識は誤りであるという。時間———即ち、過去と現在と未来は、同時に存在しており、謂わば、時間もひとつの空間であるということなのだ。

 

 

人間が時間が流れているように錯覚してしまうのは、人間の意識がAという過去と呼ばれる空間から、Bという今という空間へ、次にCという未来と呼ばれる空間へ移動していくから、そう感じてしまっているだけのことに過ぎないということなのだ。

 

 

こういった話は、今という時間を生きている我々の感覚からすると、非常にわかりづらいし、どう考えても当人の感覚としては、時間は流れているようにしか感じられないものである。

 

 

しかし、最近「ああ。なるほどなぁ」と、理論物理学者の言っていることが少しわかったような体験をした。

 

 

それは何かというと、過去のことを回想したときのことである。過去の思い出のなかには、非常に鮮明に記憶に残っているものがある。非常に鮮明に残っている記憶は、今から見て何十年というときが流れていたとしても、ついまるで昨日のことのように思い出すことができるものである。

 

 

そしてこのことが即ち、時間が流れるものではないということの答え、正体なのではないか、と、僕は思ったのだ。

 

 

僕が鮮明に思い出している記憶———と思っているものは、Aという場所にまだ存在しており、だからこそ、僕はAという記憶をまるで昨日のことのように感じることができるのではないのか、と。

 

 

もっと言うと、実は全てのことは同時並列的に起こっていて、特にそこに順序といったものは存在していないのかもしれない。

 

 

我々は時間、出来事をA、B、C、Dといったふうに順番に体験していくことになるが、実際にはそのような順序など存在しておらず、AからいきなりDに飛んでも良い、というか、時間の組み合わせも実は自由で、特に制限などないものかもしれない。ただ、意識が条件反射的に順番通りに空間を進んでいくので、あたかも時間は前に向かってしか進まないし、途中で順番が飛んだり、はたまた逆になったりすることがないと思っているだけのことなのかもしれない。

 

 

ひょっとすると、意識をもと自由にコントロールすることができれば、過去へも未来へも自由に移動できるものなのかもしれない。

 

 

と、今日のブログは以上となる。このブログを最後まで読んでくださった方には感謝する。

 

 

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ちなみに、僕は先日新しい小説をAmazonから発売したので、こちらも併せて読んでもらえると嬉しい。

 

 

内容は、便利屋をしている主人公のもとに、異世界(並行世界)へ迷い込んでしまったと思われる妹を探して欲しいという依頼が舞い込んできて、その仕事を引き受けることにした主人公は、実際に異世界に移動して、その世界で様々な体験や発見をしていくというものになる。

 

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ではまたのブログでお会いしよう‼ チャオ‼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に解明された⁉ 死後の世界の真実の姿‼

 

 


僕は昔から死後の世界とは一体どんな世界であるのか興味があり、インターネットなどを使って色々と調べているのだが、今回のブログではそのなかでわかってきたということについて記していきたい。

 

 

まず人間は死ぬと、人間が幽霊と聞いて思い浮かべる通りの状態になるようである。つまり、透明人間状態だ。自分には自分の姿が見えているのに、周囲の生きている人間からは誰にも知覚されない状態になってしまうらしい。

 

 

更に肉体が存在していないので、何かに触れたすることができなくなってしまうらしい。反対にこのことによって、壁抜けをしたりすることが可能になるようである。

 

 

補足しておくと、一部の幽霊は経験を重ねたり、あるいは修行することによって、死後も物体に干渉することができるようになるようである。

 

 

幽霊は地上からほんの僅かに浮いている状態であり、移動するときは半ば地上を滑るような感じで移動していくことになるらしい。

 

 

 

空を飛んだりすることはできないようである。

 

 

幽霊は寒さも暑さも感じることなく、常に心地よい状態て過ごすことができるようである。

 

 

幽霊は新しい情報や、概念を頭のなかにいれるのが難しいようである。たとえば幽霊が生きていた時代にユーチュウブといったものが存在していなかったとすると、どれだけ他人が懇切丁寧にユーチュウブについて説明したとしても、幽霊はその情報を取り入れることができないようだ。ひょっとすると、これは物理的な脳が失われてしまっている影響によるものなのかもしれない。

 

 

鏡に自分の姿が映らない。幽霊は物理的な肉体というものを持っていない状態なので、当然肉体が光を反射することもなく、このため、幽霊は自分の姿を目視することができないようだ。

 

 

このことによる弊害として、幽霊は死んでからあまりも長い時間が経過してしまうと、自分の顔を思い出すことがだんだんとできなくなっていってしまうらしい。すると、幽霊の肉体というのは、その幽霊の記憶に基いて構成されているものなので、その幽霊は顔のない幽霊となってしまうようだ。

 

 

そして最終的には自分という存在さえも忘れていってしまい、幽霊はこの世界から消えてしまう―――恐らく成仏することになるのだろうということであった。

 

 

ただし、上記については、霊能者によって見解がわかれている部分もあり、地上に存在している幽霊が必ずしも、成仏できずにいる霊なのかというと、そうともいい切れない部分も存在しているということであった。

 

 

つまり、顔がなかったり、あるいは足だけとなった幽霊というのは、幽霊の抜け殻なのではないか、ということなのだ。要するに、幽霊本人はとっくの昔に成仏しているのだが、幽霊の思考の一部がこの世界に留まっていて、それがそのよう形として、この現世に現れているのではないか、ということなのである。

 

 

ちなみに、書き忘れていたが、幽霊の肉体というのは、幽霊の生前の記憶をもとに再現されるので、多くの場合幽霊は衣服を着ている状態であるということである。

 

 

どうだろうか? 今回は僕がインターネットを通じて知った幽霊の正体について徒然なるままに書いてみたのだが、また何か思い出したことがあったら書いてみたいと思う。

 

 

最後までこのブログを読んでくださった方には感謝する。また毎回書いていることで恐縮ではあるのだが、僕はこのようなアイディアをもとに小説を書いており、それらを電子書籍として様々な媒体から販売している。もしこういった話に興味関心があるという方がいらっしゃったら、下記にリンクを貼りつけておくので、また気が向いたときにでも読んでもらえると嬉しい。

 

 

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ではまたのブログでお会いしよう‼ チャオ。