みなさんは『きさらぎ駅』をご存知だろうか? 『きさらぎ駅』はあまりにも有名なので、恐らくほとんど全てのひとがご存知であるとは思うのだが、しかし、知らない方もいらっしゃるかもしれないので一応念のために簡単に説明しておくと、『きらざき駅』というのは、西暦2000年のはじめ頃に、ネットの掲示板に実況中継式で書かれた怪異体験の話になる。
具体的には、はすみという名前の女性が、会社から帰宅しようと終電間際の電車に乗車すると、何故かその電車がなかなか駅に停車せす、ばかりか、きらざき駅という、本来であれば存在しないはずの駅に到着し、その駅になんとなく降りてしまったはすみさんが様々な怪異体験をしたのちに、そのまま消息を絶ってしまうという話になる。
この『きさらぎ駅』という話は、現実的に考えればあり得ない話なので、恐らくは作者が自分の妄想を含まらせて描いたものだとは思うのだが、しかし、もしこのようなことが本当に起こったのだとしたら、それは何が原因となって起こったのだろうか?
可能性として考えられるのは、はすみさんが電車に乗っているあいだにいつの間にか、並行世界に移動してしまっていた、という線だろう。
だが、もし並行世界に移動してしまったのだとしたら、はすみさんが移動した世界というのは、この我々が暮らしている現実世界から乖離している部分が多すぎるような気がする。
というのも、並行世界というのは、我々の世界と隣り合った世界のはずなので、はすみさんが体験した世界のような、極端な違いというものはないと思われるからだ。更にいえば、はすみさんは並行世界に移動してしまったということでは説明がつけられないような現実離れたした体験をしている。
たとえば、はすみさんが駅のフォームから降りて線路をトンネルに向かって歩い行こうとした際に、背後から「そっちへいくと危ないよ」と声をかけてきた、片足しかない老人などがそうだ。
そこで僕が辿り着いた解答は、はすみさんは電車に乗っているあいだに、いつの間にか、死者の集合意識が作り出した、限定的な異世界に迷い込んでしまっていたのではないか、というものだ。
どうして僕がこのような結論に辿り着くことになったのかというと、それは幽体離脱に伴う体験があげられる。
幽体離脱というのは、身体から幽体が抜け出した状態をいう。そしてこうした体験をしたことがあると語るひとは比較的多い。夜眠っているときに金縛りにあってしまい、その状態から抜け出そうともがいていると、ふとした拍子に、意識、つまり幽体だけが自分の身体から抜け出してしまい、眠っている自分の姿を天井のあたりから見下ろすことになった、などといった体験談が数多く報告されている。
ところで、慣れてくると、この幽体離脱状態を意図的に起こすことができるようになるらしい。そして更にこれを極めていくと、幽体離脱者は、そこで自分の思った通りの世界を作り出すことが可能になるようだ。
僕が知っている興味深い体験談には、幽体離脱後、ドラゴンボールに出てくるフリーザと、戦える世界を作り出したというものがあった。
また興味深いことに、遊離離脱後は現実世界で起きて活動しているときと全く同じように感覚が鋭敏になり、まさに本当にフリーザと戦っているような体感が得られたということだ。
と、ここまで書けば、僕が一体何をいわんとしているのか、だいたいのひとが察しがついていると思うのだが、果たしてその通りである。
僕が想像するに、はすみさんは電車に乗っているどこかのタイミングで、死者、それも複数の死者が作り出した、想像上の世界に迷い込んでしまったのではないだろうか?
だがらこそ、その世界は並行世界とは違い、様々な怪異現象が起こるし、現実ではあり獲ないようなことが起こるのではないか、と。
と、こう書くと、当然ながら、何故はすみさんだけがそのような世界に迷い込んでしまうことになったのか? と疑問に思われる方が出てきそうだが、しかし、そろそろ文章が長くなってきたので、この続きは次回のブログに記載したいと思う。
今日もこのブログを最後まで読んでくださった方には感謝する。
またいつも書いていることで恐縮ではあるのだが、僕はこのような発想をもとに小説を書いており、それらの小説を様々な電子書籍販売サイトから販売している。もしこのような話に興味関心があるという方がいらっしゃったら、下記にリンクを貼っておくので、この機会にぜひ見てもらえると、僕としては非常に励みになる。
ではまたのブログお会いしよう‼